ハスの葉は非常に水をはじきやすい構造になっています。 ハスの葉に降った雨は水滴となり、葉が揺れるたびにコロコロと葉の上を転げまわり、ついには葉から落ちてしまいます。
なぜこんなに水をよくはじくのでしょうか。 1つには、雨の多い熱帯地方にも分布するハスですから、葉の表面にカビが繁殖して光合成能力が低下するのを防いでいるのかもしれません。 でも、それだけでしょうか。 こぼれないようにそっと葉の中心部に水を載せると・・・
上の動画のように、すぐに水が沸騰したように飛び散ります。 もちろん暑さでほんとうに水が沸騰しているわけではありません。 なおこの現象は、若い葉で朝の方がよく見られるようです。
植物の葉は光合成をして酸素を出しますが、地下茎やそこから出る根は、当然光合成できませんから、生きていくためには酸素が必要です。 しかし泥の中には空気があまり入って来ず、酸素が不足気味です。
そこでハスは体の中に空気を通すスペースを作りました。 レンコンの穴です。 この穴を気体が通り、ガス交換するのですが、では、この空気の出入り口は?
地下茎、つまりレンコンからは、葉が出ています。 この葉の葉柄の中にも、空気の通る細いパイプが数本入っています。 そして、この葉柄は、葉の中央につながっています。 ブクブクと水が沸いているように見えたのは、葉の中央の小さな孔から葉柄にある気体が上昇してきたためでしょう。
このことを葉柄を切って確かめてみました(下の動画)。
葉柄の中に空気を通すパイプが何本も通っているのが確認できます。 葉柄を切るとハスの組織が傷を塞ぐために白い物質を分泌しますが、この白い液体の動きで気体の流れが分かります。
上は枯れた葉柄を乾燥させたものです。 ストローとして利用できますね。
(上はPart1に載せていた動画や写真を再構成したものです。)
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