写真はツルゴケ Pilotrichopsis dentata のようです。 一次茎は石灰岩の割れ目に生えた木の根元近くをはい、二次茎は絡まるように育ち、その一部は長く垂れ下がっていました。 なお、周囲は石灰岩ですが、ツルゴケは樹上や岩上に生えるコケで、石灰岩地帯であることとは無関係のようです。
上は垂れ下がっている二次茎を拡大した写真です。 乾いた状態では、葉は茎に密着していて、細く見えます。 枝はまばらにほぼ直角に出ています。 このような長く垂れ下がる茎やそのからの枝の様子は、本種を見分ける良い特徴になります。
湿らせると上の写真のように彙状に開きます。
上は枝葉で、長さは1.5~2㎜、卵形の基部から披針形に伸び、披針形の部分には鈍歯があります。 中肋は葉先近くに達しています。
上は葉先付近です
葉の基部の縁には小形で横長の細胞がたくさん並んでいます(上の写真)。
葉身細胞は長い菱形~楕円形で長さ8~25μm、細胞壁は不規則に肥厚しています(上の写真)。
上は葉の背面の細胞を斜めから撮っています。 上端に小さなパピラのある細胞が混じっています。
上は葉を取り去って撮った偽毛葉ですが、白い矢印は毛葉のようにもみえます。
(2023.12.30. 高知県 横倉山)
◎ ツルゴケはこちらやこちらにも載せています。
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