写真はムツコネジレゴケ Trichostomum platyphyllum でしょう。 石灰岩上に育っていました。
湿った時の植物体の径は4㎜ほどでした。 葉は中部がもっとも幅広くなっています。
茎の高さは約8㎜でした。 茎は古い葉に覆われていますが、これを取り去ると・・・
茎は黒っぽい色をしています。 なお、同じ属のクチヒゲゴケなら、茎は褐色です。
乾くと葉は管状になって巻きます。 白く見えるのはほとんどが炭酸カルシウムで、乾くといっそうはっきりしてきます。 石灰岩地帯では、茎や葉についた雨水には炭酸水素カルシウムが溶け込んでいて、これが水の蒸発と共に空気中の二酸化炭素と反応し、炭酸カルシウムとして残ります。
上の2枚は葉です。 葉の上部~中部は細かい細胞からなっていますが、下部の細胞は矩形で大きく透明な細胞からなっています。
上は葉先付近です。 葉縁には細かい歯があります。 葉身細胞には4~7個のパピラがあります。
上は葉の中央付近の腹面を撮っていて、写真中央を斜めに走っている赤褐色の部分が中肋です。 中肋腹面の表皮細胞は葉身細胞と類似していて密にパピラがありますが・・・
上は葉の中央付近を背面から撮っていて、斜めに走っているのが中肋です。 中肋背面の表皮細胞は葉身細胞よりずっと長い細胞で、パピラは無く平滑です。
上は葉の基部から1/4ほどの所の中肋の横断面です。 ステライドは背腹両面にあります。
上は茎の横断面で、表皮細胞の外側の細胞壁にピントを合わせたために、全体がピンボケのような写真になってしまいました。 示したかったのは、茎の表皮細胞が大型・薄壁で透明であることです。
下も上とほぼ同じ所の横断面です。
茎には中心束があります(上の写真)。
(2024.11.4. 滋賀県多賀町)
0 件のコメント:
コメントを投稿