2021-12-05

カサゴケモドキ

 

 写真はカサゴケモドキ Rhodobryum ontariense で、東京都あきる野市養沢で 2021.11.29.に撮影しました。 平凡社によると、本種は石灰岩地を含む落葉樹林下に生えるとあり、撮影場所も、東約500mと西約1kmに鍾乳洞があり、近くにも石灰岩らしい岩が見られました。

 長い匍匐茎があり、そこから立ち上がる直立茎の茎頂に大形の葉が集中してついています。 1茎につく葉の枚数は30~40枚、1枚の葉の長さは1cm近くあります。

 葉は倒卵形~楕円形で、葉先は広く尖り、葉縁の中部以下は強く反曲しています。 葉の上部には歯があります。

 葉縁の歯は単生です(上の写真)。

 葉身細胞は狭六角形です(上の写真)。 長さは 40~80μmで、平凡社の 30~50μmより少し長いようです。

 上は葉の中肋付近の横断面で、中肋の下部にステライドがあります。

 上は葉の中央付近の葉縁の横断面で、葉縁は強く反曲しています。

 多くの株で、傘の中央がゴチャゴチャしていました(上の写真)。 この部分を取り出して顕微鏡で観察すると・・・

 造精器(中は既に空)と側糸がありました(上の写真)。

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