2021-12-07

ウロコハタケゴケ

 茨城県自然博物館で行われている第82回企画展「こけティッシュNEW苔ワールド」見学の後、バス停に向かう途中の道路脇にあったウロコハタケゴケ Riccia lamellosa です(2021.11.30.撮影)。 少し乾燥気味なのか、白緑色です。

 Riccia(ウキゴケ属)の中では葉状体の大きさが最大で、上の写真では幅は 1.5~3.5mmwですが、5mmほどになることもあるようです。

 葉状体の縁から白っぽい腹鱗片が鱗のように大きくはみ出していて、これが和名の由来にもなっています。 背面の溝は細い線状です。 なお、上の写真は少しコントラストを強調しています。

 上の写真の溝は胞子体があった跡ですが葉状体の腹面はしっかり残っています。

 上は葉状体の横断面で、背面側部の盛り上がりはほとんどありません。 上の写真では若い胞子体の断面が2個あります。 黒い縦の筋は空気が入ったためで、写真右側の黒いものは土です。
こちらには造精器の様子を載せています。

 上は葉状体の縁付近です。 上から見て白い鱗状に見える部分のつくりがよく分かります。 また、乾き気味の時に葉状体が白っぽく見えるのは、葉状体の背面に葉緑体をほとんど持たない細胞の層があるからでしょう。

 上は胞子で、遠心極面にピントが合っている胞子が2個あります。 遠心極面の直径上には6~7個の網目があります。

 上も胞子で、左側の胞子は求心曲面にピントが合っています。 求心曲面は3本の条溝も不明瞭で、ほとんど網目にならない不規則な突起があります。

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