上は大分県・国東半島の国見の海沿いで撮ったハマヒサカキ Eurya emarginata の花と実です(2022.12.7.撮影)。
ハマヒサカキは、その名のとおり、本州中部以南の海岸斜面等に自生する常緑低木で、ヒサカキ E. japonica とは同じ属に分類されています。
潮風にさらされた場所で生育している木ですから、乾燥にも強いだろうと、一時は道路の分離植栽や緑地帯にたくさん植えられましたが、耐乾性はそれほどでもなかったようです。 それに花にはガス臭に似たにおいがあり、ガス漏れ騒動を起こしたこともありました。
葉はまるく厚く、光沢があり、低い鋸歯があります。 鋸歯の窪みには黒紫色の腺点状構造物があります(上の写真)。
花を拡大してみました(上の写真)。 本種は雌雄異株で、上の写真は、たくさんの果実がなっていることからも分かるように雌株です。 雌花には柱頭が3裂したメシベのみで、オシベは見られません。 よく見ると、アザミウマの仲間など、複数の虫が来ています。
これだけの果実ができているのですから、近くに雄株もあるはずですが、短時間の観察で確認できませんでしたので、過去に撮った雄花を下に載せておきます。
上は大阪府堺市の大蓮公園で 2013.12.2.に撮影した雄花です。 雄花は雌花より幅が大きく、枝につく花の数も多いようです。
花の少ない時期ですので、ここでもたくさんのハエの仲間などが来ていました。 カメラを近づけると逃げてしまいますが、写真の右上に1頭残っています。
上は雄花の拡大です。 雄花にはメシベは見当たりません。
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