前回に続き、いただいたコケで、ホソバコオイゴケ Diplophyllum taxifolium でしょう。 分布は、平凡社では「北海道~九州の亜高山帯以上にふつう」となっていますが、写真のコケの産地は京都府の美山町佐々里です。
腹片は鈍頭です。 背片と腹片の長さの比など葉の詳細は、茎についているままでは、どうしても立体的に観察することになりますし、葉の茎と重なっている部分は暗くなって様子が分かりません。 葉を1枚ずつ外して観察することにしました。
上の2枚は背面から背片の細胞にピントが合うように撮っています。 腹片にも背片にも縁に小さな歯があります。
背片は腹片の2/3~3/4の長さがあります。 背片にビッタ(注1)は無く、細胞にトリゴンはありません。
(注1) ビッタ(vitta):苔類の葉に見られる細長い厚壁の細胞列。中肋に似るが、端細胞層。
上は腹面から腹片の細胞にピントが合うように撮っています。 腹片の細胞は、やや大きな方形の細胞から、多角形の細胞や形の不明な細胞まで、場所によってさまざまな細胞が見られます。
上は背片と重なっていない部分の腹片の細胞です。 各細胞に大きなパピラが複数あり、細胞の形が分かりづらくなっています。
上は茎の断面です。 表皮細胞は小さく、厚壁です。
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