2025-10-15

無性芽をつけたヒメクサリゴケ

 写真はヒメクサリゴケ Cololejeunea longifolia でしょう。 10月8日のオカモス関西の観察会で、千苅浄水場の岩上に育っていました。
 ルーペで上のようなコケを見た場合、Drepanolejeunea(サンカクゴケ属)の可能性もあるのですが、顕微鏡で観察したところ腹葉は無く、Cololejeunea(ヒメクサリゴケ属)であることが分かりました。

 顕微鏡で観察すると(上の写真)、ゴミも多いのですが、円い無性芽がたくさんついています。

 上は葉についている無性芽です。 無性芽は1細胞層の円盤状で、3カ所から上下に角のような突起があるのですが、無性芽はいろんな方向を向いているので、分かりにくいですね。

 上の写真、右上の無性芽はほぼ真横から見ていますので、“角”の様子がよく分かります。

 上は葉から離れて散らばっていた無性芽です。 無性芽の直径は、上の写真では 65~95μm、平凡社では 80~150μmとなっています。


 上の2枚は葉です。 背片は長楕円形で、腹片の第1歯は2細胞からなり、第2歯も明瞭です。

 葉身細胞は薄壁で、トリゴンは小さく、中間肥厚しています(上の写真)。

◎ ヒメクサリゴケはこちらこちらにも載せています。 また、上のような無性芽は本種の仲間数種に見られるようで、こちらに載せています。

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