2016-08-15

ホシウスバカゲロウ


 上はホシウスバカゲロウ Glenuroides japonicus です。 林の薄暗い所にいたのを連れ帰って撮影しました。 室内をパタパタと不器用に飛び回るのもなかなかかわいいものですし、細かい網目もステキです。


 上のように翅を広げたままでとまっていることもあります。 飛翔後はしばらく翅を広げたままでいて、落ち着くと閉じるケースが多いようです。
 ところで、和名の「ホシ」は「星」だと思うのですが、どこが「星」なのでしょうか。 上は白バックで撮っていますが、背景が黒っぽい所に置くと・・・


 翅の端近くに白斑が見られます。 しかしウスバカゲロウ Baliga micans にも似た位置に似た白斑がありますから、やはり「星」は翅のあちこちに見られる黒っぽい小斑でしょうか。


 上で「かわいい」と書きましたが、立派な口があり、これだけ鋭い爪とゴワゴワした毛があれば肉食であるというのも納得です。 ただ、成虫がどのように餌をつかまえるのかはよく分かっていないようです。 ちなみに、ウスバカゲロウなどの幼虫はアリジゴクと呼ばれていますが、ホシウスバカゲロウの幼虫は、やはり肉食ではありますが、非営巣性で、徘徊して餌を捕らえるようです。

(2016.8.13. 堺自然ふれあいの森)

2016-08-14

オヤコゴケ


 写真はオヤコゴケ Schistochilopsis cornuta でしょう。 葉はゆるく重なっています。


 葉は2裂し、背側の裂片は腹側の裂片より小さく、各裂片には1~数個の歯があります。 左右に広がった葉を含めた茎の幅は 2.5mmほどです。


 上は歯の様子です。


 葉の先には無性芽がついていて、上の写真では、葉先から分離した無性芽が点々と散らばっています。 下は上の写真の一部を切り出したもので、ほぼピントの合った遊離した無性芽が4個写っています。 無性芽は多角体で、(この写真からは分かりにくいですが)2細胞からできています。
 仮根は無色です。


(2016.7.20. 北八ヶ岳)

◎ オヤコゴケはこちらにも載せています。


2016-08-13

ハナゴケ


 写真はハナゴケ Cladonia rangiferina でしょう。 花のように美しいコケ、といっても、蘚苔類ではなく地衣類です。


 枝のように見えるのは子柄で、その先端の小さな濃い色の部分が子器でしょう。

(2016.7.21. 北八ヶ岳)

2016-08-12

ムラサキウスアメバチ Dyctyonotus purpurascens ?


 写真のハチはムラサキウスアメバチだと思うのですが、翅脈が少し違うような気もしますので、とりあえず「?」付きとしておきます。 アメバチの仲間には体色が飴色のものが多いのですが、このように黒いものもいます。 体長は、腹部の曲がりをどのように測定すれば良いのかよく分かりませんが、このままの姿勢で 2.8cmほどでした。
 上は掃除のために翅を持ち上げたところで、翅に邪魔されずに腹部の様子もよく分かります。


 上は掃除のためか前脚を口にはさんでいますので、少しややこしくなっていますが・・・。 頭盾と顔面の間には溝があります。


 翅脈にはヒメバチ科の特徴が見られます。 翅の端は黒っぽくなっています。

(2016.8.9. 堺自然ふれあいの森)

2016-08-11

フウリンゴケ


 上は蒴をつけたフウリンゴケ Bartramiopsis lescurii です。 多くの蒴は蓋に帽がついていますが、右上と左下には蓋も帽も取れた蒴があります。
 フウリンゴケはスギゴケ科のコケです。 スギゴケ科の蒴の特徴として蓋の取れた蒴口は口膜で覆われていますが、和名はこの蓋の取れた垂れ下がる蒴が風鈴に似ているところからではないかと思います。


 茎は高さ3~8cmで、下半部には葉がありません。 上は乾いた状態で、葉は乾くと強く巻縮します。 葉の長さは5mm前後です。


 上は1枚の葉を顕微鏡で見たものです。 少し古い葉で汚れているうえに、片方の葉鞘部が折れ重なってしまいましたが・・・。 葉は細長く、縁にはほぼ全周にわたって歯があります。
 ①と②の部分を倍率を上げて撮った写真を下に載せます。


 上は①の部分の拡大です。 葉鞘部の縁には数本の長い多細胞の毛が見られます。


 上は②の部分の拡大です。 中肋腹面上には数列の薄板があって、上の写真はその薄板にピントを合わせています。 薄板の存在は葉の断面を見ればよく分かります(こちら)。


 上の写真では蓋の取れた蒴がたくさんあります。 口膜が蒴口を完全には塞がず隙間の見える蒴もあります。 胞子はこの隙間から散布されます。 下はこの隙間の比較的大きな蒴を深度合成したものです。


 上の写真を見ると、口膜は中軸の頂部が円形に広がったものであることも納得できます。 なお、スギゴケ科の多くの種は短い蒴歯を持っているのですが、フウリンゴケの場合は、上の写真のように蒴歯はありません。

(2016.7.20-21. 北八ヶ岳)