2014-11-16

ミゾゴイ

 ミゾゴイは、数例を除き、日本でのみ繁殖する渡り鳥で、個体数は世界で1,000羽以下とも言われている鳥です。 昨年は、10月に新梅田シティの人工庭園にミゾゴイの幼鳥が飛来し、50日ほど滞在したほか、大阪城公園にもミゾゴイが飛来し、また、岬町で抱卵中のミゾゴイの巣が発見されるなど、ミゾゴイの話題の多い年でした。 そんなことから、昨日、日本野鳥の会大阪支部の講演会「 森に生きる不思議なサギ ミゾゴイ ~そのくらしを知り、保護を考える~ 」が大阪市立自然史博物館で行われ、聴いてきました。
 なお、下の写真を含め、ここに載せたミゾゴイの写真は、全て昨年新梅田シティで私が撮ったものです。 またその時の様子は、こちらにも載せています。



 川名国男氏の基調講演は、近年まで夜行性と言われていたミゾゴイが昼行性であることや、営巣場所の特徴など、ミゾゴイの生態と習性についてでした。
 ミゾゴイが昼行性である根拠として示されたのは、① 繁殖期の行動の観察から、ヒナに餌を運ぶのは昼間に限られ、夜間はヒナと共に巣にいること、② ミミズなどを採餌する場合、土のわずかな動きを捉えているのか、地面に顔を近づけてじっと見つめる(下の写真)など、視覚に頼っている(夜の暗闇では不可)と思われる行動をとることなどです。

地面に顔を近づけ、じっと見つめるミゾゴイ

正面から見た眼の位置も、距離を測る両眼視に適している

 なお、近年まで夜行性と思われていたのは、個体数が少なく昼間も薄暗い林に棲んで発見されにくく、生態的な観察がほとんどされなかったことに加え、繁殖期前の縄張り確保とメスを呼ぶ鳴き声は夜間によく聞こえるためだろうとのことでした。 また、新梅田シティの場合は、良好な中継地の無い渡りの途中に、たまたま餌の豊富な場所に降り立ち、餌採りに夢中になっているうちに人に慣れてしまったのではないか、ということでした。

 続いて納家仁氏から、新梅田シティのミゾゴイの密着観察の報告がなされました。 採餌回数は1日にほぼ100回で、餌の主なものはミミズであったなど、これまでほとんど知られてなかった渡りの時期のミゾゴイの生態についての調査結果が報告されました。

 休憩を挟んでのパネルディスカッション「ミゾゴイを守るために」では、新梅田シティ庭園の設計及び運営のコンセプト(ミゾゴイの餌があり続けた小さな自然)や、岬町の鳥獣保護区の拡大、ミゾゴイの存在を知る方法などについて、ディスカッションが行われました。

 長い距離を移動する渡り鳥の営巣地、中継地、越冬地の環境について考えることは、広範囲における生物多様性、地球規模での豊かさを守ることにつながると、改めて考えさせられました。

2014-11-15

イスノキモンオナガコバチ


 おちゃたてむしさんのイスノキモンオナガコバチ(こちらなど)を見て、私も羽化や交尾の様子などを撮りたいと思っていました。 しかし近くにはイスノキが無く、少し足を延ばせばイスノキはありますが、その木にイスノキモンオナガコバチがいるとは限りませんので、熱心に通う気も起りませんでした。
 今日、やっとイスノキモンオナガコバチのいるイスノキを見つけました。 交尾のピークには1週間ほど遅いようで、オスが数頭いただけですし、電車を乗り継いで1時間ほど要する所ですが・・・。


 動きまわって、横から撮ろうとするとすぐ向きを変えてしまうので、上のような写真しか撮れませんでした・・・。

2014-11-14

ツヤヒラタアブ


 上はオオバコの花に来ていたツヤヒラタアブのメス、花粉まみれです。 ちいさなオオバコの花も、こんなに花粉を出すんですね。


 上はイヌタデの花に来ていたツヤヒラタアブのメスです。 小さな花には小さな虫がよく似合う、でしょうか。

(以上、2014.10.24. 堺自然ふれあいの森)


 上は春に撮ったもので、カラシナの花に来ているツヤヒラタアブのオスだと思います。 オスでは左右の複眼が接しています。


 肉眼レベルで見ていると、名前のとおり体にはツヤがあるのですが、上のように拡大して見ると、細かい毛がたくさん生えています。

2014-11-13

クルマバッタモドキの交尾


 何かがパッと飛び跳ねたので、その着地点を見ると、クルマバッタモドキが腹と腹を合わせて抱き合っていました(上の写真)。
 上は、クルマバッタモドキの保護色に加えて、手前の草が邪魔をしていて、とても見難い写真になってしまいましたが、左側の小さい方がオスで、右の大きい方がメスです。


 オスはすぐにメスの背中に回り、よく見かける馬乗り姿勢になりました(上の写真)。

 この記事を書こうと思ったのは、1枚目の抱き合う姿勢を初めて見たからです。 交尾はいつもこのようにして始まるのでしょうか。 それともこの時は、オスがメスを見つけて飛びついた時に、たまたまこんな姿勢になってしまったのでしょうか。


 オスが飛びついた時もメスは動じず、オスが背中に回った時も、メスは悠々と草(メヒシバ)を食べ続けていました(上の写真)。

(2014.10.19. 堺市南区鉢ヶ峯寺)

2014-11-12

オニノゲシ

 オニノゲシはヨーロッパ原産ですが、帰化植物として世界中に分布しています。 名前は厚壮で葉のトゲが発達した鬼のようなノゲシ(ハルノノゲシ)ということでしょう。 なお、ノゲシは野にあるケシということですが、アヘンの材料となるケシはケシ科ですし、ノゲシもオニノゲシもキク科で、葉が似ているだけで全く別の植物です。


 上がオニノゲシです。 11月4日、堺市南区豊田での撮影です。


 上は1枚目の写真の一部を拡大したものですが、オニノゲシの葉の付き方の特徴として葉の基部が半月状に茎を抱いています。


 環境によっては、オニノゲシは上のように赤みを帯びることもあります。


 オニノゲシの花は、春から晩秋まで見られます。 上は10月19日に撮ったものですが、ツボミ、花(頭花)、花後の姿が写っています。


 花の終わった頭状花序にスカシヒメヘリカメムシが来ていました(上の写真)。 子房から果実になる途中の、胚乳が吸い易い頃を狙って来ているのでしょう。


 果実が成熟すると冠毛が伸びてきます(上の写真)。 冠毛は汚白色です。


 上はまさに飛び散ろうとしているそう果です。 そう果には縦の脈が見られます。 ノゲシのような横じわはありません。