2016-02-28

若い胞子体をつけたタマゴケ


 上は道の脇の斜面に生えているタマゴケ Bartramia pomiformis です。


 近づいてみると、上のような若い胞子体をたくさんつけていました。 タマゴケと言えば玉のような蒴ですが(こちら)、この時期はこんな線形なんですね。


 上の写真を見ると、頂生の蒴と側生の蒴があるようにも見えます。 しかし葉の色に注目すると、長い方の蒴柄が頂生した下から新芽が2本出て、そのうちの1本にも蒴がついたと考えられます。 つまり蒴は頂生です。

 上の写真からも1枚の葉は細く長いことは分かりますが、以下もう少し詳しく葉を調べてみました。


 上は葉の基部です。 途中から急に細くなり、先端部は、左にまだまだ長く伸びた先にあります。 中肋は葉の先端部にまで伸びています。
 下は上の赤い四角で囲んだ部分の拡大です。


 葉身細胞には背腹両面にパピラがあります。 葉の折れ曲がった所は細胞を横から見ることになり、パピラが分かり易くなります。 下は上の赤い四角で囲んだ部分の拡大です。


 パピラは1細胞当たり1~2個です。


 上は葉の先端部分です。葉縁にも背面にも歯があります。

(2016.2.12. 和泉市 槇尾山)

こちらでは1年をとおしてのタマゴケの蒴の変化を載せています。