コモチイチイゴケ
Isopterygium propaguriferum は茎から特殊な枝を立ち上げ、その頂端に無性芽をたくさんつけます。
上は湿った状態の、無性芽をつけていない枝です。
上は茎葉です。 中肋は不明です。
翼部の細胞は方形~楕円形ですが、ほとんど分化していません(上の写真)。
上は乾いた状態の無性芽をつけている枝です。 2種のカメラで撮影し、カメラの特性で(色の調整を手抜きしていることもありますが・・)色が違って見えますが、同じ所を撮っています(拡大率は異なります)。
上は無性芽をつけている枝の下部の顕微鏡写真です。
上は枝の先の無性芽です。 無性芽は数個の細胞が縦につながって棍棒状になっています。
コモチイチイゴケは平凡社の図鑑で環境省の絶滅危惧I類となっています。 とても珍しいコケでしたが、スギの梢に近い古い枝で育つことがわかってからは、あちこちでみつかりはじめているということです(秋山弘之先生談)。 上に新しい葉が茂り、暗くなって光合成できなくなった葉をつけていたスギの枝は、ヒノキなどと異なり、自然に落ちます。 今回観察した谷でも、スギの落枝や朽木上に、たくさんのコモチイチイゴケが見られました。
(2017.3.25. 徳島県海部郡海陽町相川)
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