上はミヤマシッポゴケ Dicranoloma cylindrothecium でしょう。 樹幹に育っていました。 周囲には地衣類も多く、葉は開いているのですが、とても乾いている感じがして、触るとゴワゴワしていました。
拡大すると、ほとんど全ての葉の上部が無くなっています。 上部が残っているように見える葉でも、顕微鏡で確認すると、ほとんどの葉の先端は失われていました。 時期や環境にもよるのかもしれませんが、かなり折れ易い葉のようです。
葉腋には褐色の仮根が見えています。
葉先がほとんど欠けていない葉の長さは7mmほどあります。
上は葉の基部付近です。 中肋は細く、葉の下部の幅の最も広い所では、中肋の幅は葉の幅の1/15以下です。 葉身細胞は細い矩形で、翼細胞は方形です。
翼部と中肋との間には、壁にくびれのある細長い細胞が並びます(上の写真)。
上は葉の上部を背面から見た顕微鏡写真で、中肋にピントを合わせています。 葉縁の上半には小歯がありますが、中肋にも歯があります。
上は葉の上部と下部の横断面です。 葉は1層の細胞からなっていますが、注目したいのは中肋の断面で・・・
上は(葉の上部の)中肋付近の断面を偏光で撮影したものです。 中肋は一様な細胞からなっていて、ステライドははっきりしません。
(2019.5.25. 京都府 芦生研究林)
◎ ミヤマシッポゴケと思われるコケはこちらにも載せていますが、色も雰囲気も異なります。 生育環境による違いなのか、別種なのか・・・
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