2020-03-27

ゴマダラヤスデゴケ


 写真はゴマダラヤスデゴケ Frullania pseudoalstonii です。 樹幹についていました。 本種は宮崎県産のものについて 2006年に新種として発表されていますので、初版が2001年の平凡社の図鑑には記載されていません。 日本産の種ではホソヤスデゴケやアオシマヤスデゴケに似ていますが、背片全体に眼点細胞が散在していることや、早落性の葉を有していることで区別されます。 なお、種小名は「偽のalstonii」という意味で、F. alstonii は東南アジアに広く分布するヤスデゴケですが、日本での分布は確認されていないようです。


 小さなコケで、葉を含めた茎の幅は 0.4~0.7mmでした。


 上は背面から撮っています。 背片には基部に列状の眼点細胞があるほか、あちこちに眼点細胞が散在しています。 和名の「ゴマダラ」は、この散在している眼点細胞に由来しているのでしょうね。



 上は腹面からです。 腹片は長さが幅の 1.5倍ほどの釣鐘型で、嘴があります。 腹片の先端は少し茎側に傾いています。
 腹葉は長さの1/2~1/3まで2裂し、裂片は三角形てす。 幅は茎と同じか少し大きい程度ですが、細長く、腹葉どうしは接するか、少し重なっています。


 上は腹片のスチルスにピントを合わせています。


 上は背片の葉先近く(右が葉先の方向)の葉身細胞です。

(2020.3.4. 屋久島)

◎ ゴマダラヤスデゴケはこちらにも載せています。


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