岩の崖に育っていた上の写真のコケ、オオスギゴケかと思いましたが、蒴を見ると・・・
蒴には縦に稜があって Polytrichum(スギゴケ属)に間違いなさそうですし、このような大形のものはウマスギゴケとオオスギゴケしか思い当たりません。 両者の区別は蒴があると簡単で、頸部のくびれ方が前者では深く(こちら)、後者では浅い(こちら)と理解していました。 ところが上の写真を見ると、頸部のくびれが全く見られません。
葉の横断面(写真掲載略)を見ると、やはりオオスギゴケ Polytrichum formosum でした。 写真のようなオオスギゴケのまだ若い蒴では、頸部はまだくびれていないようです。
ウマスギゴケの若い蒴との違いは、他にもいろいろありました。 1つは、蓋の形です。 上のリンクのウマスギゴケと比較してみてください。 もうひとつは帽についている毛の長さです。 ウマスギゴケの和名が、帽の毛を馬のたてがみに例えたところからというのが、分かる気がしました。
近くには雄器盤をつけた雄株もありました(下の写真)。 これも葉の横断面を作成し、オオスギゴケであることを確認しています。
(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)
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