上は岩上に育つコケ群落で、マルバコオイゴケやコウヤケビラゴケなどに混じってチャボマツバウロコゴケ Blepharostoma minus がありました。
葉や腹葉についてはこちらやこちらに載せていますので、今回は省きますが・・・
あちこちに花被がついていました(上の写真)。 花被は茎に頂生し、円筒形で、口部は広く繊毛があります(平凡社の図鑑より)。
「繊毛」と聞くとゾウリムシなどの波打つ細い毛の集まりを想像してしまいますが、「繊」は「細い」という意味の漢字ですから、それでいいのでしょうね。
ところで、本種の属名の Blepharostoma はギリシャ語の Blepharis(まつ毛)+stoma(口)で、これもこの花被の様子に由来しているのでしょう。 ちなみに、種小名の minus は「より小さい」という意味です。
上の2枚は花被の口部の拡大です。
上の写真の中央から右上にかけて球形のものがいくつかありますが、これは造精器だと思います。 造精器がむき出しのようにも見えますが、造精器を包む苞葉も深裂しているので、このように見えるのだと思います。
(2025.6.1. 京都市右京区 標高500m付近)