赤くなるコケはいろいろありますが(注1)、上の写真の崖を赤く染めるコケはツムウロコゴケ Solenostoma fusiforme でした(2025.4.5.に京都府右京区京北上弓削町にて撮影)。 北海道~九州の山地帯の湿った崖や土手などに生育するコケで、児玉(1971)の『近畿地方の苔類(第1部)』には、サイシュウソロイゴケの名前で、「決して普通なものではないが,京都付近や丹波高原には多い.」と書かれています。
濡れていることもありますが、冬を越した部分は透明感のある美しい赤い色です。 そこから伸びだす新しい枝の葉にも透明感があります。
茎の長さは1cm以上あります。 葉は斜めにつき、やや開出して接在しています。 仮根は多くありません。
葉は卵形で、上の写真ではゴミで少し分かりにくくなっていますが、背縁基部がやや下延しています。 葉縁は大きな細胞で縁取られています。
上は葉身細胞です。 トリゴンは小さく、油体は各細胞に1~3個あり、球形~楕円体で、ブドウ房状です。
(注1) このブログでは、シタバヒシャクゴケ、キブリツボミゴケ、ゴレツミズゴケなどの赤くなるコケを載せています。
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