2019-10-20
タカネミゾゴケ
上はタカネミゾゴケ Marsupella emarginata ssp. tubulosa でしょう。 少し乾き気味で葉が腹側に巻き込んでいます。
葉は基部から開出し、横からの検鏡だと2つ折れの状態になります(上の写真)。
上は1枚の葉で、先は2裂し、長さと幅はほぼ同じです。 葉は左右非対称で、写真の右側が腹側ですが、腹側の方が大きくなっています。
上は葉身細胞です。 トリゴンは大きく、油体には眼点があります。 よく似たホソミゾゴケの油体には眼点がありません。
上の写真の枝は胞子体をつけています。
雌苞葉と花被を破り、胞子体が見えるようにしてみました(上の写真)。
(2019.9.14. 北八ヶ岳)
◎ タカネミゾゴケはこちらやこちらにも載せています。
2019-10-19
イバラゴケ
上はイバラゴケ Calyptrochaeta japonica でしょう。 和名の由来は蒴柄に単細胞の透明な刺がいちめんにあり、それを茨に見立てたものですが、蒴はつけていませんでした。
上の写真を撮っていて気づいたのですが、上部に仮根のようなものが見られる茎でも、茎の中ほどには仮根は見られません。 上の写真には写っていませんが、茎の下部にも、多くの蘚類同様、仮根が見られます。
茎の上部に見られる仮根のようなものを顕微鏡で観察すると(上の写真)、どの細胞も幅はほぼ同じで、葉緑体が見られました。 しかし形態的には無性芽とは言えないでしょう。 下は上の一部の拡大です。
ケチョウチンゴケのように、仮根から無性芽が作られるのでしょうか。
比較のため、上は茎の下部にある仮根で、土が混じっています。 仮根を構成している細胞の幅は一定していませんし、もちろん葉緑体は見られません。
葉の長さにはかなりの差があります。 上の写真は茎の上部を撮っていますので、葉は総じて小さく、写真の左の葉でも2mmを少し超えているだけです。 平凡社の図鑑では、葉の長さは2~3.5mmとなっています。
葉は茎にやや扁平についていて、茎の左右に広がる葉は非相称がきつくなります(こちら)。 上の2枚の写真は、どちらも茎の上下方向についている葉ですので、あまり非相称にはなっていません。
多くの葉は、上の2枚の写真の1枚目のように、倒卵形です。 葉縁には弱い舷があり、上部の葉縁には小さい歯が見られます。 下は上の2枚の写真の2枚目の葉の基部を拡大したものです。
平凡社の図鑑には、「中肋は非常に短くて2叉する。」と記載されています。 上の写真で中肋が分かるでしょうか。
下は上と同じ写真に、中肋と思われる所に赤い線を入れてみたものです。
(2019.10.9. 奈良県宇陀市)
◎ イバラゴケはこちらにも載せています。
2019-10-16
ムクムクゴケ
長い間、日本には1種のみとされていたムクムクゴケ( Trichocolea tomentella )が、現在日本には5種が認められていて、近畿の低山地などで見られるのは、ほとんどがハネムクムクゴケ( T. pluma:以下「ハネ-」と記す)であることは前に書きました(こちら)。
上の写真のものは、これまでに見たハネ-より全体が横に広がらずに細長く、葉を含めた枝の幅が次第に細くなり、枝先がほんの少し垂れ下がり気味です。
これまでに見たハネ-よりはむしろ明るい場所にありましたので、徒長ぎみのハネ-とは考えられず、ムクムクゴケだろうと思い、調べてみました。
上は少し乾き気味のものを腹面から撮っています。
乾くと枝が腹面に寄ってきます(上の写真)。 カラカラに乾いても、ふわふわの手触りです。
拡大しても違いがはっきりするわけでもありません・・・
上は葉です。
上は葉身細胞(と言っていいのかな?)です。 ムクムクゴケでは細胞と細胞の境は竹の節のように膨れておらず、油体に眼点はありません。
(2019.10.9. 奈良県宇陀市)
上の写真のものは、これまでに見たハネ-より全体が横に広がらずに細長く、葉を含めた枝の幅が次第に細くなり、枝先がほんの少し垂れ下がり気味です。
これまでに見たハネ-よりはむしろ明るい場所にありましたので、徒長ぎみのハネ-とは考えられず、ムクムクゴケだろうと思い、調べてみました。
上は少し乾き気味のものを腹面から撮っています。
乾くと枝が腹面に寄ってきます(上の写真)。 カラカラに乾いても、ふわふわの手触りです。
拡大しても違いがはっきりするわけでもありません・・・
上は葉です。
上は葉身細胞(と言っていいのかな?)です。 ムクムクゴケでは細胞と細胞の境は竹の節のように膨れておらず、油体に眼点はありません。
(2019.10.9. 奈良県宇陀市)
2019-10-15
ホソミツヤゴケ
写真はホソミツヤゴケ Entodon sullivantii のようです。 谷間の小屋の屋根で育っていたものを棒でつついて落として採取しましたので、生育状況を示す写真はありません。
ヒロハツヤゴケより小型で、スリムな印象を受けます。
ツヤゴケの仲間も似たものが多く、蒴の様子なども同定時の大切な要素です。 写真のものはまだ蒴が若く、蒴歯の様子などは調べられませんが、蒴柄が黄色ではなく赤色であるのは同定に役立ちます。
葉はゆるく扁平に枝についています。 茎葉の長さは 1.5~2mmほどです。
上は茎葉です。 中肋が短く2叉し翼部には分化した多数の細胞が見られるのはツヤゴケ属( Entodon )の特徴です。
上は茎葉の葉身細胞で、長さは 70~80μm程度の細胞が多いようです。
上は枝葉です。 枝葉の先の縁には微歯があり、上の写真でも何となくは分かるのですが、下にその部分を拡大しておきました。
(2019.10.13. 箕面公園)
◎ こちらには成熟間近の蒴をつけたホソミツヤゴケを載せています。
2019-10-14
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