2019-10-16

ムクムクゴケ

 長い間、日本には1種のみとされていたムクムクゴケ( Trichocolea tomentella )が、現在日本には5種が認められていて、近畿の低山地などで見られるのは、ほとんどがハネムクムクゴケ( T. pluma:以下「ハネ-」と記す)であることは前に書きました(こちら)。


 上の写真のものは、これまでに見たハネ-より全体が横に広がらずに細長く、葉を含めた枝の幅が次第に細くなり、枝先がほんの少し垂れ下がり気味です。
 これまでに見たハネ-よりはむしろ明るい場所にありましたので、徒長ぎみのハネ-とは考えられず、ムクムクゴケだろうと思い、調べてみました。


 上は少し乾き気味のものを腹面から撮っています。


 乾くと枝が腹面に寄ってきます(上の写真)。 カラカラに乾いても、ふわふわの手触りです。


 拡大しても違いがはっきりするわけでもありません・・・


 上は葉です。


 上は葉身細胞(と言っていいのかな?)です。 ムクムクゴケでは細胞と細胞の境は竹の節のように膨れておらず、油体に眼点はありません。

(2019.10.9. 奈良県宇陀市)