2020-02-03
トサクラマゴケモドキの造卵器
上はトサクラマゴケモドキ Porella acutifolia ssp. tosana だと思いますが、赤い円で囲った所は他の場所と様子が違います。 生殖に関する場所だと思い、以下の観察を行いました。
上は手前にあった葉を取り除いています。 短い枝の先に、苞葉に守られて褐色の生殖器がたくさん見えます。 最初は精子を出し終えた造精器だと思ったのですが・・・
顕微鏡で観察すると造卵器でした。
(2019.12.11. 大阪府高槻市 川久保)
2020-02-02
2020-01-30
キツネノオゴケ?
川に沿った遊歩道の斜面に、オオトラノオゴケに似て、少し小さく感じたコケがありました。 念のため少し持ち帰ってそのままにしていたのですが、乾いた状態で改めて観察してみると、茎が細く長く伸び、全体が柔らかく、オオトラノオゴケとは異なるようです。 葉はオオトラノオゴケより少し細い印象がありますが、共通の特徴がたくさん認められます。
オオトラノオゴケに近い仲間だと見当をつけて平凡社の図鑑を調べたところ、検索表ではキツネノオゴケに落ちそうですが、種の解説を読むと、いろいろ違いが出てきます。 しかし他にぴたりと一致する種をみつけることはできませんでしたので、とりあえずキツネノオゴケ Thamnobryum alopecurum として公開し、間違っているようであれば、そのご指摘を待ちたいと思います。 なお、生育地ではオオトラノオゴケだろうと思っていましたので、育っている様子は撮っていません。
( こちらには平凡社の図鑑の記載に近い形態のキツネノオゴケを載せています。)
上の写真全体が1本の細い茎でつながっています。 下は上の赤い四角で囲った部分の拡大です。
茎には鱗片葉がついています。 鱗片葉は葉をそのまま小さくしたような形です。
葉の長さは2~3.5mmです。
上は葉を腹面から撮っています。 葉は中央が凹み、葉先付近には大きな歯があります。
上は葉先付近を背面から撮っています。 中肋は背面に歯をつけています(上の赤い〇で囲った所)。
上は葉の中央部付近の葉身細胞です。
(2019.12.28. 岡山県井原市)
オオトラノオゴケに近い仲間だと見当をつけて平凡社の図鑑を調べたところ、検索表ではキツネノオゴケに落ちそうですが、種の解説を読むと、いろいろ違いが出てきます。 しかし他にぴたりと一致する種をみつけることはできませんでしたので、とりあえずキツネノオゴケ Thamnobryum alopecurum として公開し、間違っているようであれば、そのご指摘を待ちたいと思います。 なお、生育地ではオオトラノオゴケだろうと思っていましたので、育っている様子は撮っていません。
( こちらには平凡社の図鑑の記載に近い形態のキツネノオゴケを載せています。)
上の写真全体が1本の細い茎でつながっています。 下は上の赤い四角で囲った部分の拡大です。
茎には鱗片葉がついています。 鱗片葉は葉をそのまま小さくしたような形です。
葉の長さは2~3.5mmです。
上は葉を腹面から撮っています。 葉は中央が凹み、葉先付近には大きな歯があります。
上は葉先付近を背面から撮っています。 中肋は背面に歯をつけています(上の赤い〇で囲った所)。
上は葉の中央部付近の葉身細胞です。
(2019.12.28. 岡山県井原市)
2020-01-27
ハチヂレゴケ
上はハチヂレゴケ Ptychomitrium dentatum でしょう。 岩上にありました。 上の写真は12月28日の撮影で、ほとんどの蒴は帽を被っています。 これを採集したまま放置して1ヶ月後に観察しようとしたところ・・・
ほとんどの帽は外れていて蒴歯が見えていました。 帽がついている蒴も、壺が痩せて帽はブカブカで今にも取れそうになっていました(上の写真)。
上は蒴柄基部の様子を見るために手前の葉を除去して撮っています。 2枚目の写真は同じ所から胞子体が2本出ています。 本種の胞子体は同じ所から1~3本出るようです。 蒴柄は赤褐色で、長さは2mmほどです。
チヂレゴケのところやコバノヒダゴケのところなどに書いたように、Ptychomitrium(チヂレゴケ属)は雌雄同株(異苞)で、雄花序は胞子体の基部近くから生じた小さな枝の先につきます。 上の写真でも胞子体の基部の鞘の近くに何かありそうなので、その部分を拡大すると・・・
雄花序は胞子体基部の鞘の下部から生じているようです。
上は蓋(左)と帽(右)です。 蓋は帽の中にくっついていたのを外しました。 平凡社の図鑑には「蓋の嘴は蓋の径とほぼ同長」とありますが、よく似たコバノヒダゴケよりは短いものの、やはり嘴の方が長いようです。
蒴歯は単列16本で、2深裂しています。
上は胞子です。
上部の葉縁には鋸歯があります。
上は葉先付近の様子です。
上は葉身細胞です。
(2019.12.28. 岡山県井原市)
◎ ハチヂレゴケはこちらにも載せています。
2020-01-25
コバノヒダゴケ(帽や雄花序を中心に)
写真はコバノヒダゴケ Ptychomitrium wilsonii でしょう。 胞子の飛散が始まった時期のようで、外れかけの帽のついた蒴や、蒴歯が見えている蒴もあります。 ところが、蓋の見えている蒴がありません。
2枚目の写真の中央右の蒴は、帽が外れかけていて、帽の切れ目からは蒴歯が見えています。 蓋はどこに?
じつは蓋は帽の内側にくっついていて、ほとんどの場合、帽と一緒に外れてしまうようです。 上の写真は、左は帽の中から取り出した蓋で、右は蓋をくっつけたままの帽です(帽の裂け目から蓋が少し見えています)。 左端の小粒は花粉です。
蓋にこんなに長い嘴があるのも、本種の特徴の1つです。
上は濡らして葉を開かせ、手前の葉を取り除いて撮った写真です。 蒴柄の基部近くに赤褐色のものがたくさん見られます。 下はこの部分を拡大したものです。
Ptychomitrium(チヂレゴケ属)は雌雄同株(異苞)で、雄花序は胞子体の基部近くから生じた小さな枝の先につきます。 赤褐色のものは雄花序だろうと見当をつけ、確認のためにその一つを取って、顕微鏡で観察したのが下の写真です。
たくさんの葉に囲まれて、その中に何かありそうなのですが、よく分かりません。 そこで、手前の葉を何枚か取り除いて撮ったのが下の写真です。
上の写真では、精子を出し終えて枯れたようになっている造精器がたくさん見えています。
コバノヒダゴケは前にこちらに載せましたので、葉の様子などは省いたのですが、確認のため、再度蒴歯のようすを下に載せておきます。
蒴歯は3~4裂していて、表面は細かいパピラに覆われています。 あちこちにある球形のものは胞子です。
上は胞子です。
(2019.12.28. 岡山県井原市)
◎ コバノヒダゴケの葉や蒴歯の様子などはこちらに載せています。
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