2014-08-15

ヒメキイロコウカアブ(メス)


 上は7月16日に、下は7月27日に、どちらも「堺自然ふれあいの森」で撮ったミズアブ科のヒメキイロコウカアブ( Ptecticus sinchangensis )です。 「京都府レッドデータブック」には「キイロコウカアブに似るが小さく、後脛節と後ふ節の基節が黒いことで区別される。」とあり、よく一致します。



 上に載せた「京都府レッドデータブック」には「林床のキノコに依存する種で、環境指標性がある。」「成虫はベニタケ属のキノコに集まり、幼虫もおそらくこれを食す。」とあります
 7月27日に見た時は、キノコの周囲をウロウロしていて、キノコにこだわっているような気もしたのですが、直接キノコにとまることはなく、キノコも古かったので写真に撮ることもしなかったので、今となっては、ベニタケ属のキノコだったのか、思い出せません (-_-;
 おちゃたてむしさんのところには、オニイグチ科ベニイグチに数頭のヒメキイロコウカアブが集まっていたことが載せられています。 ベニタケ属のキノコがいつでも生えているとは限らず、観察例も少ないことから、ヒメキイロコウカアブが集まるキノコはベニタケ属に限らないのかもしれません。
 ところで、Aclerisさんのところに載せられている雌雄の標本と比較すると、上の写真はメスのようです。
 多くの昆虫では卵を抱えるメスの方がオスより大きい傾向があります。 ヒメキイロコウカアブなどは、オスがメスより大きいのですが、Aclerisさんによれば、そのような場合の多くは、特定の交尾場所をめぐってオス同士の競争が生じる種類であり、たぶんヒメキイロコウカアブにとってはキノコがお見合い会場なのだろうということです。

※ コウカアブの「コウカ」は「後架」で、これは禅寺の僧堂の後ろに架け渡して設けた洗面所や、その傍らにあったところから、便所を意味します。 高架橋(地上に架ける橋)などの「高架」とは異なります。
 つまり「コウカアブ」は「便所アブ」です。 実際、コウカアブや、ヒメキイロコウカアブに似たキイロコウカアブなどは、便池に集まります。

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