2014-10-30

キバナノマツバニンジン


 キバナノマツバニンジンは北アメリカ原産のアマ科の帰化植物で、湿地を好むようです。 そのキバナノマツバニンジンが、自宅のある泉北丘陵に生えていました(上の写真)。 茎は直立して上部でほうきのように枝を分けています。
 泉北丘陵には、大阪層群相当層が広く分布していて、あちこちに海生粘土が見られます。 この海生粘土層は、水を通しにくく、斜面から水がしみ出て小規模な湿地を作っている所があちこちにあります。

 キバナノマツバニンジンの花は初夏に咲くと言われていますが、10月19でも、まだたくさんの花を見ることができました。 上の写真で褐色に見える植物はメリケンカルカヤとテンツキですから、季節が分かっていただけるでしょう。


 少なくとも10月19日時点では、花が咲くのは昼を過ぎてからで、12時半では花は全く見られず、1時頃にやっと咲きだし、2時半には上の写真のような状態になりました。
 上の写真で花殻は全く見えません。 花はこの後数時間できれいに散ってしまいます。 花の咲き始める時間や咲き続けている時間は初夏からこのような状態なのかは、来年の課題です。
 上の写真で、丸いのは花の終わった後で、とんがっているのがツボミですから、花の時期はほとんど終わりかけています。


 花はオシベ5本で、柱頭は5裂しています。 野に咲くアマ科の植物はほとんど見る機会がありませんが、栽培されているアマの花とは、花の色も大きさも違いますが、植物の雰囲気はよく似ています。

 葉は、1枚目や2枚目の写真ではほとんど目立ちませんが、よく見ると、細長い小さな葉が茎にくっついています。


 上は根元の様子を見たものです。 まっすぐ上に伸びているのが花をつけている茎ですが、ほとんど伸びていない茎もあります。 あまり伸びていない茎の葉は長さのわりに幅があり、別の植物の葉のようです。 また葉の付き方も、あまり伸びていない茎の葉は対生ですが、花をつけている茎の葉は、地際の一部を除き、互生です。
 上に伸びる茎の葉は、低い所では開いていますが、上になるにつれて茎に密着していきます。

 日本の自生植物として、日当たりのよいやや乾いた草地で淡紫色の花をつけるマツバニンジンがあります。 このマツバニンジンについてもキバナノマツバニンジンについてもですが、和名はどこからつけられたのでしょうね。 マツの葉も細く、ニンジンの葉も細かく切れ込んでいますが・・・。

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