デング熱で
ヒトスジシマカが世間を騒がせていますが、これはヒトスジシマカと同じヤブカ属に分類されているオオクロヤブカです。 名前に「オオ」とあるように、ヒトスジシマカよりひとまわり大きなカです。 人から吸血しますが、媒介する病気は知られていません。
上の写真は1枚目とは別の場所で撮ったものですが、いずれもメスで、細長く伸びている口器の基部が太くなっているように見えるのは、2本の小顎鬚が口器にくっついているからです。 なお、オスではこの小顎鬚が長く、口器に平行に伸びています。 またオスの触角は非常に発達し、羽毛状になっています。
口器には溝が走っています。 じつは外から見えている口器は下唇です。 下唇は、血を吸う刺針部の鞘の役目をしていて、吸血時には皮膚の中に入りません。 刺針が皮膚に入る時には、下唇はたわみ、真っ直ぐに伸びる刺針は溝に見える割れ目から姿を見せます。 BABAさんの
こちらには、ヒトスジシマカのその様子が写っています。
なお、皮膚に入る刺針は、多くの器官が束になってできています。 上唇は血を吸う管として機能します。 上唇は管ではなく断面はCのようになっていますから、2枚の大顎は上唇のこの切れ目を覆っています。 また、2枚の小顎は皮膚を切り裂く役割を、下咽頭は血液の凝固を防ぐ成分を含む唾液を注入する役割を持っています。
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