北海道の苫小牧市にある北海道大学研究林のコケを許可を得て調べておられる泉田氏より、エゾコガネハイゴケ Campyliadelphus stellatus と思われるコケが送られてきました。 上がそのコケ(泉田氏撮影)で、湿原で育っていたとのことです。
茎はやや立ち上がり、不規則に分枝しています。 枝の幅は葉を含めて2mmほどです。 葉は光沢があり、開出しています。 上はやや湿った状態ですが、乾いてもほとんど同じでした。
上の2枚は茎葉です。 長さは約2mm、多くの葉は中央付近で反り返っていて、カバーグラスで押さえると上のような姿になります。 ほぼ全縁で、中肋は不明瞭か短く二叉しています。 翼細胞は方形で、明瞭な区画をつくっています。
葉身細胞は線形で厚壁、長さは 20~60μmです(上の写真)。
偽毛葉は小葉状です(上の写真)。
上は茎の断面で、中心束があります。
以上の観察結果から、 よく似た同属のコガネハイゴケとは、中肋や翼部の様子などで区別でき、エゾコガネハイゴケで間違いないと思います。 なお、和名に「エゾ」とついていますが、平凡社では分布は北海道~九州となっています。
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