写真はホソべリミズゴケ Sphagnum junghuhnianum subsp. pseudomolle(別名コバノホソベリミズゴケ)でしょう。 枝葉の上部はやや反曲しています。
ミズゴケ類は北方系が多いのですが、本種の分布は本州~九州で、北海道には分布しません。 懸崖性のミズゴケで、上も水の染み出る岩の斜面で育っていました。
平凡社の図鑑のミズゴケ科の検索表は、茎や枝の表皮細胞の様子から始まります。 上は本種の茎の表皮(メチレンブルーで染色)で、細胞壁が肥厚した模様も孔も見られません。
上は茎の横断面で、表皮細胞は3層です。 横断面で見ても表皮細胞には何の模様もありません。
上は枝葉です。 葉縁は少し波打っています。
上は枝葉の横断面です。 葉緑細胞は三角形で、底面は腹側にあります。
上は枝葉の中央部の腹面、下は枝葉中央部の背面です。 どちらも透明細胞の表面に焦点を合わせています。 腹面と背面で透明細胞の模様は異なります。
背面から透明細胞の表面に焦点を合わせると、葉緑細胞は奥に位置するため、焦点が合いません。
上は茎葉で、左側に少し茎の表皮がくっついてきています。 茎葉は二等辺三角形で、葉先は狭い切形で鋸歯があり、舷は基部でもほとんど広がっていません。
(2025.4.19. 京都市右京区京北上弓削町)
◎ ホソベリミズゴケはこちらにも載せています。
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