ラベル 1124 ススキゴケ科 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2024-09-20

ススキゴケ

 写真はススキゴケ Dicranella heteromalla でしょう。 伐採木についていました。 蒴柄は湿ると上の写真の程度まで屈曲します。

 上の植物体は上下が逆ですが、この方がデザイン的におもしろいので・・・。 蒴柄は黄色です。

 多くの葉は長さ約 2.5㎜ですが、蒴をつけていない茎の頂付近の葉は上の写真のように少し長くなります。
 葉は三角形の基部から漸尖して長く伸び、中肋は葉の基部の幅の約1/3で、葉身上部の大部分を占めています。 上方の葉縁には細かい歯があり、翼部の分化は見られません。

 上は葉の横断面で、ガイドセルの背側にも腹側にもステライドがあります。

 蒴は乾くと蒴口が斜めになります(上の写真)。

 蒴歯は上部が2裂し、細かいパピラに覆われています(上の写真)。 壺の細胞は細長く、気孔はありません。

 上は蒴歯の基部です。 口環があり、蒴歯の下部ではパピラが縦に並び条のようにみえています。

(2024.8.25. 北海道 然別湖に沿った遊歩道)

◎ 下はこれまでに載せたススキゴケです。
 180329 → 蒴を正面から
 160217 → 蒴の外見など
 150620 → 葉の細胞など

2022-10-29

ナガスジススキゴケ

 上の写真、薄く緑色に覆われた地表の所々に赤っぽい所があります。 そこに近づいいてみると・・・

 赤っぽいのはたくさんの蒴や蒴柄の色でした。 さらに近づいて・・・


 いろいろな蒴の色が目を楽しませてくれますが、じつは蒴を含めた高さが7mmほどの、とても小さなコケで、ルーペが無いと、この美しさを鑑賞できません。
 このコケ、以前同じ場所で写真を撮り、葉の観察もしていて(こちら)、ナガスジススキゴケ Dicranella varia だと分かっていますので、今回は葉の顕微鏡観察などは行っていません。 前回は蒴歯が見える状態であったのに対し、今回は帽もついている状態ですが、色彩的には今回の方が美しいようです。

(2022.10.25. 兵庫県三田市)

2019-12-05

ヒロハススキゴケ


 写真はヒロハススキゴケ Dicranella palustris です。 崖下のいつも水が流れている所で育っていました。 この場所も笠井氏に案内していただきました。
 上の写真に写っている落ち葉からも分かるようにやや大型のコケです。 ススキゴケと同じ属なのですが、見た目の印象は全く異なり、遠目にはエゾスナゴケに似ています。


 葉は明るい緑色で、基部から斜め上に伸び、葉先に向かって1/3ほどの所で反り返り、真横~斜め下に葉先を向けます。


 葉は長さ3~3.5mmのものが多く、茎の枝分かれはほとんどありません。


 上は葉先付近です。 中肋は葉先近くに達しています。 葉縁には歯がありますが、あまり目立ちません。


 葉身細胞は平滑で、とても細長い細胞です。 なお、翼部の分化は見られませんでした。 また、右下にスケールを入れていますが、細胞の大きさは、葉の先端から基部に向かって長さも幅も大きくなってきますので、測定する場所でかなり異なってきます。 上の写真は葉の中央部より少し基部寄りです。


 上は葉の横断面と、円内はその中肋部の拡大です。 中肋は葉の幅に比して細く、中肋部にはガイドセルとステライドが見られます。

(2019.11.21. 滋賀県高島市)

2019-08-20

ナガスジススキゴケ



 昨日に続いてススキゴケ属の小さなコケです。これも大阪市立自然史博物館の「標本の名前を調べよう」で調べてもらったもので、ナガスジススキゴケ Dicranella varia だろうということになりました。 やはり保育社の図鑑には記載が無く、平凡社の図鑑も小さな写真と検索表にあるのみのコケです。


 上の写真では茎は2mmほど、長い蒴柄を持つ胞子体をあわせても、高さは7mmほどです。 胞子体は濃い赤褐色です。


 上はこのコケを観察している様子です。 胞子を飛ばし終えた時期で、植物体も弱っていて緑色が薄れて褐色ぎみになっていることもあり、肉眼では砂粒に紛れて、場所を示されても存在が分かりません。
 北海道、本州、四国の低地~山地の裸地面に生えるコケのようで、今回みつけた場所も、上の写真のように、やはり裸地面でした。


 葉は卵形の基部から、やや急に細くなり、針状に伸びていますが、葉先は鈍頭です。 中肋は、上の写真でははっきりしませんが、葉先には届いていないようです。


 上は葉の基部付近です。 葉身細胞は平滑で、翼部は分化していません。


 上は茎(中央)と葉(右)の横断面です。 披針形の葉を持つコケは、ギボウシゴケ科、センボンゴケ科、シッポゴケ科などがありますが、これらのどれに分類されるかを調べるポイントの1つに、パピラやマミラの有無があります。 しかし低いパピラやマミラの場合は、表面からでは分かりにくいので、葉の断面を確認すれば確かです。 上の写真では、たくさんのゴミがついていますが、パピラは確認できませんから、センボンゴケ科ではないことが分かります。


 上は蒴を拡大した写真で、蒴歯は1列16本、先端は2裂しています。 このような蒴歯はシッポゴケ科によく見られます。


 蒴歯は全体がパビラに覆われています(上の写真)。 2裂しているのは蒴歯の先端部分のみですが、それに続く縦の条が蒴歯の基部まで続いています。

(2019.3.13. 兵庫県三田市)

◎ こちらには帽のある蒴をつけた本種の様子を載せています。


2019-08-19

イヨススキゴケ



 8月18日に大阪市立自然史博物館で催された特別行事「標本の名前を調べよう」で調べてもらったコケで、イヨススキゴケ Dicranella gonoi だろうということになりました。 保育社の図鑑には記載が無く、平凡社の図鑑も小さな写真と検索表にあるのみです。


 葉の長さは1mm前後、蒴柄は長く、蒴は直立しています。




 下部の葉は披針形、上部の葉は幅広い基部からやや急に細くなっています。


 上は葉の基部近くの葉身細胞です。 翼部の細胞は分化せず、葉身細胞は平滑ですが、これらは Dicranella(ススキゴケ属)の特徴です。

(2018.10.3. 金剛山 登山道脇の土上)

2019-07-19

ホウライオバナゴケ?


 上は構図的なおもしろさを狙って撮っていた写真です。 奥に写っているのはススキゴケにしては少し大形のように思い、持ち帰って調べてみました。


 葉の長さは4~5mmほどあります。 ススキゴケの葉の長さは2.5mmほどですから、倍ほどの長さがあります。
 葉の長さからはホウライオバナゴケ Dicranella coarctata が考えられます。 蒴があれば、ススキゴケの蒴が傾くのに対し、ホウライ-の蒴は直立ですので、すぐ分かるのですが、蒴はついていませんでした。


 葉先は尖っています。 芒状部は大部分が中肋ですが、中肋のみにはなっていません。


 ススキゴケの葉は基部から漸尖するのですが、上の写真の葉は鞘部から芒状への移行部が肩状になっています。
 葉先に向かうにつれて、中肋が葉の大部分を占めるようになることや、葉の基部の細胞は細長くなっているが翼部の分化は見られないことなどはススキゴケの葉の特徴と同じです。


 上は葉の断面です。

ススキゴケ属は日本に約20種あるとされ、際立った特徴が少なく、分類は難しいとされています。 上のコケも、現段階では「?」付きでホウライオバナゴケとしておきます。

(2019.7.8. 和歌山県側の岩湧山麓)

2018-03-29

ススキゴケの蒴


 蒴をつけたススキゴケ Dicranella heteromalla は前にも載せていますが(こちら)、今回は蒴の正面近くから撮ってみました。


 シッポゴケ科の蒴には内蒴歯が無く、外蒴歯のみの16本で、蒴歯の先端は2裂することが多いのですが、ススキゴケの蒴もそのようになっています。

(2018.3.14. 高槻市 中畑)

2016-02-17

ススキゴケ


 胞子体をたくさんつけたススキゴケ Dicranella heteromalla がありました。


 ほんとうは1枚目の写真のように斜面に生え、蒴を垂れていたのですが、生け花風に(?)撮ってみました。 上の写真は帽をつけた蒴と帽が取れた蒴で、下の写真の蒴は蓋も取れて蒴歯が見えています。


(2016.2.10. 大阪府交野市私市)

◎ ススキゴケの葉の顕微鏡写真などはこちらやこちらに載せています。 またこちらには蒴を正面から撮った写真を載せています。


2015-06-20

ススキゴケ


 和名は葉の先が針形に伸び、姿がススキに似ているからと言われているのですが、ススキの硬い葉のイメージとは異なり、柔らかい葉です。 私的には萱場を吹き渡る風になびくススキ群落のイメージでしょうか。


 大きさが写真で分かるようにと10円玉を後ろに置いたのですが、ススキ群落の後ろの月を連想させるような写真になりました。



 葉の先端部には小歯が並びます。


 葉身細胞は矩形です。

(2015.6.17. 岩湧山)

◎ ススキゴケの群落に、ほんのわずかですが胞子体をつけたものがありましたので、下に載せておきます。(2015.11.16.追記)

2015.11.11. 六甲山・山田道

◎ 胞子体をたくさんつけたススキゴケはこちらに載せています。(2016.2.17.追記)