写真は樹幹のヒナノハイゴケ(
Venturiella sinensis )です。 名前のとおり茎は分枝しながら長く這うのですが、それらの様子は
こちらに載せています。 今回は葉と蒴を中心に調べました。
上の深度合成した写真には、蓋のついた蒴(下右)、蓋が取れた蒴(下左)、蒴歯が開き、胞子がいっぱい見えている蒴(上)が写っています。
(11月上旬の、帽を被った蒴の様子は
こちらに載せています。)
蒴柄は短く、蒴は半分雌苞葉に隠れます。 雌苞葉は他の葉の2倍ほどの長さがあります。
蒴には 明瞭な口環があります。 蒴歯は1列で16本です。
葉は思いの外柔らかく、上の写真では2つ折れになってしまいましたが、中肋や舷が無いこと、葉の先は透明尖になっていることなどは確認できます。
(上や下の写真ではサイズが分かりませんので、スケールを入れた写真を
こちらに載せました。)
葉身細胞は六角形で、薄壁です(上の写真)。
上は蒴を開いて蒴歯を見たものです。 左下の丸いものは胞子でしょう。
蒴歯を拡大してみました(上の写真)。 ヒナノハイゴケの蒴歯には密にパピラが見られます。
(2016.1.5. 堺市南区岩室)