2016-03-14

ミズシダゴケ


 写真はミズシダゴケ Cratoneuron filicinum です。 湧水でいつも水があるような浅い水たまりに育っていました。 蒴は稀なようです。
 名前は分かったような分からないような・・・。 和名のミズ(水)は分かりますし、シダは種小名から来ていると思うのですが、どこかシダのある種に似ているのでしょうか。 「ミズシダ」はミズワラビの別名として使われることもありますが、ミズワラビとはとても似ているとは思えません。


 這った茎は立ち上がり、不規則に長さの不揃いな枝を出しています。


 写真の群落では高さは数cmのものばかりでしたが、長さが10cmに達するものもあるようです。


 上は茎の拡大です。 茎には、茎葉以外に、小さな葉状の毛葉がたくさんついています。


 上は茎葉です。 葉先は鋭頭で、弱く鎌形に曲がっています。 中肋は葉先近くに届いています。 葉の基部は広く茎に下延し、その部分の細胞は大きくて透明です。
 赤い円内は、茎葉のプレパラート作成時に混入した毛葉です。


 葉縁は全周に小さな目立たない歯があります。

 以下は毛葉の顕微鏡写真ですが、毛葉の形は様々ですので、3枚載せておきます(倍率はほぼ同じです)。




(2016.3.9. 京都市 菩提道)

◎ 湿った岩上に生え、1枚目とは印象の異なるミズシダゴケをこちらこちらに載せています。