2016-03-22

キヨスミイトゴケ



 写真は雨の中のキヨスミイトゴケ Barbella flagellifera です。 同属のイトゴケとそっくりで、顕微鏡を使わない限り、私には両者を区別することはできません。

 葉の茎についている様子はこちらに載せていますので、今回は顕微鏡レベルから。


 平凡社の図鑑には、小さな目立たない歯が葉先近くの縁にあると書いてあるのですが、上の写真の葉では全周に歯が見られます。 茎の生長の良し悪しなどで変化するのでしょうか。
 中肋は光を斜め横から当てるとルーペでも分かるのですが、真下から光を当てる顕微鏡では、かえって分かりづらくなるようです。 そこで同じ葉を直交ニコルの偏光で観察したのが下です。


 細い中肋が葉の中央付近にまで達しています。


 葉身細胞は線形~長菱形ですが、翼部の細胞は方形~矩形です。


 上は葉身細胞で、細胞の中央に1(~2)個のパピラが見られます。 これが最もはっきりしたイトゴケとの違いになります。

(2016.3.9. 京都市 菩提道)