2016-11-06

ハイヒモゴケ


 樹幹にびっしりと張り付いていたハイヒモゴケ Meteorium subpolytrichum、垂れ下がった茎の先は上方に湾曲しています。 長い柄のある蒴をつけるコケですが、この日は蒴をつけていませんでした。


 拡大してみると、糸状のものが横に飛び出しています。 この糸状のものは葉の先が糸状に伸びたものです。 上の写真は乾いた状態で、葉は茎にくっついていて、1枚の葉の見分けがつきにくいのですが、赤い円で囲った所の葉などは、そのことがよく分かります。


 ほぐしてみると、枝は不規則な羽状に出ていることが分かります(上の写真)。 写真の下方でほぼ水平方向に伸びている細い茎が一次茎でしょう。 古い葉は黒っぽい色をしています。
 なお、上の写真は湿らせて撮っていますので、葉が横に広がって、葉を含めた枝の幅は太く感じられます。


 上は左が乾いた状態、右が湿った状態です。 乾いた状態で見ると、葉を含めた茎の幅は、上の場合は先の方が太くなっているように、太い所と細い所がありますが、細い所で1mmほどです。
 葉の先の糸状に伸びた部分は乾いた状態の方が目立つようです。


 葉は長さ2mmほどで舌形、翼部は耳状で、上に書いたように葉の先は急に毛状に尖っていますが、この長さは葉のついている場所によってかなり異なるようで、上の写真の葉の毛状部分は短い方です(観察した葉はできるだけ汚れの少ないものを選んでいます)。
 中肋は葉の中央を越えて長く伸びていますが、毛状に尖った部分にまでは入り込んでいません。 葉面は舟状に深く凹んでいるため、凹みの周囲の皺が目立っています。


 上は葉のほぼ中央部を撮ったもので、右側に中肋が写っています。 葉身細胞は長楕円形、長さは 20μmほどで(右側の1目盛が 10μm)、中央に1個のパピラがあります。 なお、中肋基部付近や翼部の葉身細胞は線形になり、長さも 40μm以上ありました。


 皺の部分は細胞を斜め上から見ることになるため、パピラの様子がよく分かります(上の写真)。

(2016.10.12. 京都市左京区 貴船)

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