2018-04-15

ヒョウタンゴケの胞子体


 上は3月28日に撮ったヒョウタンゴケ Funaria hygrometrica ですが、いつもながら配偶体に似合わない大きな胞子体をつけています。
 コケ植物をひとくくりにして言ってしまえば、胞子体は配偶体から栄養分の補給を受けて生長すると言うべきでしょうが、胞子体も葉緑体を持っていれば自らの光合成産物も使用しているはずです。 胞子体が胞子形成などを行う場合、胞子体自らの光合成産物も配偶体から送られてくる物質も使うのでしょうが、どちらが多いのかは種によって異なるということなのだと思います。 ヒョウタンゴケなどの胞子体の場合は、小さな配偶体にはあまり頼らず、自らの光合成産物を利用する割合が、ずっと高いのにちがいありません。 そのような目でヒョウタンゴケの胞子体を見てみると・・・


 たくさん光合成を行おうとすれば、二酸化炭素もたくさん取り込まなければなりません。 蘚類の気孔は蒴の頸部にあります。 上の写真の白い斑点は、きっと気孔でしょう。 こんなにたくさんの気孔が目立つ蒴は、あまり見たことがありません。


 上は頸部の蒴壁を表面から見た顕微鏡写真です。 白い斑点はやはり気孔でした。 黒く見えている所は、気孔の部分が周囲より少し低くなっていて、その細胞の境目に空気が入り込んだためです。


 上は気孔の断面です。 気孔の近くには葉緑体を持った(=光合成を行う)細胞があります。

 光合成を盛んに行いながら同じ場所で胞子形成を行うと考えるのは無理があるでしょう。 蒴の縦断面を作成し、そのつくりを見たのが下です。


 胞子は胞原組織で胞子母細胞が減数分裂して作られるのですが、その周囲には気室があり、胞子が作られる場所は、蒴の中で独立しています。 上の写真のように軸柱が水分をたっぷり含んだ太い状態では、胞子が完成するのはまだまだ先のようです。


 上は蒴歯です。 この時期に蒴歯はもうここまでできていました。

◎ 今回触れなかったヒョウタンゴケの葉の様子などはこちらに載せています。

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