写真はカマハコミミゴケ Lejeunea discreta のようです。 葉(背片)はやや鎌状に曲がった卵形で、ゆるく重なっています。
生育環境が分かるように引いて撮ってみました(上の写真)。 写真中央から右の方に写っているのがカマハコミミゴケの群落です。
腹葉は長さと幅がほぼ同長で、茎径の3~4倍の長さがあります。
腹片の大きさにはかなりのばらつきがあり、背片の1/2に近い長さのものから痕跡的なものまであります。
腹葉は 2/5~1/2まで狭V字形に2裂しています。 腹片の歯牙は1細胞からなっているようです。
腹片の歯牙の基部にある細胞(とそれに連なる細胞)が他の細胞より大きく、これが似た種と区別するのにいい特徴のようです。 この特徴を確認するために、下にもう1枚写真を載せておきます。
このような腹片の特徴を持つ日本のクサリゴケ属は、平凡社の図鑑の検索表によれば、他には小笠原硫黄列島に見られるミズタニクサリゴケのみのようです。
上は葉身細胞です。 葉身細胞の壁は薄く、中間肥厚し、小さなトリゴンが見られます。 油体は微粒の集合した楕円体で、各細胞に 10~14個ほど見られます。
(2018.4.11. 京都市 西芳寺川)
◎ カマハコミミゴケはこちらにも載せています。
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