石灰岩の岸壁に生えていたクチヒゲ属のチヂミクチヒゲゴケ
Trichostomum crispulum です。 上の写真は乾いた状態で、葉は巻縮し、茎にゆるく圧着しています。
ちなみに、学名の属名は Tricho(髪の毛)+stomum(stoma:口)ですから、やはり「口髭(くちひげ)」です。 この口髭の口は蒴口を、髭は蒴歯を意味しているのだと思っているのですが、残念ながら蒴はついておらず、確かめることはできませんでした。
上は湿った状態です。 茎は分枝が少なく黒色、葉の長さは2~3mmです。
上は葉とその先端付近の拡大です。 葉は披針形で鋭頭、縁は全縁、中肋は短く突出しています。
上は葉先から1/3ほどの所を背面から撮っています。 葉縁は狭く内曲していて、その部分が色濃く見えています。 じつは、外曲ではなく内曲であることや、中肋内部のつくりを見るため、葉の横断面をつくろうとしたのですが、横方向の細胞間の接続が弱いのか、中肋の所で切断されてしまい、葉の横断面をつくることはできませんでした。
パピラが発達していて各細胞を見分けるのも難しいのですが、上中部の葉身細胞は方形で、幅は5μmほどのようです(上の写真)。 なお、基部の葉身細胞は矩形で、パピラは無く透明です。
(2019.12.27. 岡山県西部の石灰岩地帯)
0 件のコメント:
コメントを投稿