上の写真、葉の上にいろいろな苔類が育っています。 大きな長い葉のものは、ヨウジョウゴケ Cololejeunea goebelii かもしれません。 分布は平凡社の図鑑では本州~琉球となっています。
背片は細長く、上の写真では長さは幅の3倍ほどあり、鈍頭です。 腹片は卵形で、長さは背片の長さの半分を越えています。 腹片の中央部にピントが合っていないのは膨れているからでしょう。 平凡社の図鑑ではヨウジョウゴケの葉の長さは幅の2倍以下で、腹片は背片の1/3長以下なのですが、葉の形は変化し易く、同じ株でも場所により異なります。
腹葉はありません。
上の2枚は腹片です。 同じ写真ですが、2枚目には名称と、透明細胞に薄く赤い色を入れました。 透明細胞は第1歯の内側にあります。
平凡社の図鑑には「第1歯は2細胞からなり,第2歯は単細胞で尖る。」となっています。 上の写真は第1歯も第2歯も透明細胞も明瞭なので載せたのですが、第2歯は尖っているようには見えません。 他の腹片を見ると・・・
上の2枚も腹片を撮った写真ですが、たしかに第2歯は尖っています。
上の2枚の写真の赤い円で囲ってあるのはスチルス(stylus:柱状細胞)だと思います。 苔類の葉の腹片の基部に見られるもので、平凡社の記載によれば、本種のスチルスは1細胞幅で数細胞長となっています。 しかし上の写真のように1細胞のものしか見られませんでした。
上の2枚の写真のうちの下の写真には、腹片の基部から柄が伸び、その先に丸いものがついている様子が腹片内に見られます。 これは・・・
上の写真には丸いものが複数写っていますが、柄の有無や色など様々です。 よく分かりませんが、本種は雌雄同株ですので、造精器と若い胞子体かもしれません。
背片の背縁の細胞にはパピラが見られました(上の写真)。
上も背片の葉縁ですが、ここでは無性芽が作られているようです。
上は葉身細胞で、トリゴンがあります。 壁の所々に中間肥厚が見られるのが気になります。
(2021.3.3. 宮崎県日南市)
◎ ヨウジョウゴケはこちらにも載せています。
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