いただいたケビラゴケ属の標本の5種目はコミミケビラゴケ Radula auriculata です。 当初ミミケビラゴケ R. chinensis としていましたが、F先生からご指摘いただき、見直した結果、変更します。 いただいた標本についていた和名を見誤ったのか、詳しく調べもしないで載せていたのですが、山田(1996)などを見ると、コミミケビラゴケで間違いなさそうです。
変色してしまった標本では植物体の色は分かりませんが、形態的にはオオケビラゴケに似ています。 しかしケビラゴケ属の多くは暖かい所に分布し、オオケビラゴケの分布も福島県以南の低地(常緑樹林帯)であるのに対し、本種は本州中部では1,000m以上などブナ帯以上の高地に分布します。
上は光の透過を保つために細い枝を選んで撮っています。 本種の腹片は矩形~卵形で、茎に斜めにつき、基部は耳状に発達してわずかに茎を超えています。 上の写真では腹片の形がよくわかりませんので、下に腹片のアウトラインを書き加えたものを載せておきます。
腹片だけを取り出せばいいのですが、標本が破れやすくなっていて、できませんでした。
上は背片です。 写真の下方が少し破れています。 背片は円頭で基部は耳状になりません。 なお、ミミケビラゴケでは背片の基部も腹片の基部も明瞭に耳状になります。
標本ですので油体は分かりませんが、平凡社によると、油体は各細胞に1個で眼点は無いようです。
【参考にした文献】
山田耕作:日本産のケビラゴケ属(苔類).自然環境科学研究 Vol.9(1996)
これで1月4日から載せてきたケビラゴケ属シリーズは終わりにします。




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