いただいたケビラゴケ属の標本の5種目はミミケビラゴケ Radula chinensis です。 2005年時点で報告されている本種の分布地は、広島県、岡山県、石川県、岐阜県、東京都(奥多摩)のおもに石灰岩地に限られていて、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
植物体は黒みを帯び光沢があるようですが、変色してしまった標本では、そのことは分かりません。
上は光の透過を保つために細い枝を選んで撮っています。 本種の腹片は大きく茎を覆っています。 茎や太い枝の大きな葉の腹片は、もっと丸みを帯びます。 腹片の基部は耳状に発達するのですが、上の写真ではよくわかりませんので、下に腹片のアウトラインを書き加えたものを載せておきます。
腹片だけを取り出せばいいのですが、標本が破れやすくなっていて、できませんでした。
上は背片です。 写真の下方が少し破れています。 背片も腹片同様、基部が耳状になるのですが、そのことがよくわかるように背片を取り出すことはできませんでした。
【参考にした文献】
樋口正信:東京都奥多摩のミミケビラゴケ. 蘚苔類研究9(1). 2005.
これで1月4日から載せてきたケビラゴケ属シリーズは終わりにします。
0 件のコメント:
コメントを投稿