私の使っている顕微鏡はかなり古いもので、光源はハロゲンランプです。 ハロゲンランプは電球の一種ですから、熱は出るし寿命も短いので、LEDに変えたいと思っています。 しかし顕微鏡の光源を変換するためのLED光源は、需要が限られていることもあって、かなり高価です。 下にLEDライトを置くことも考えましたが、うまく置けるようなものは見つけられません。 そのうちに自作でもしようかと思いながらハロゲンランプを使い続けています。 が・・・
ダイソーで上のような COB LED を使ったライトをみつけました。 写真右下がライト、左が入っていた箱で、大きさが分かるように右上に10円硬貨を置きました。 値段は消費税込みで330円、顕微鏡の光源に使えるかもしれないと、購入して確かめることにしました。
COBとは Chip On Board の頭文字で、基板(ボード)の上に多くの LEDチップを直接並べた構造を意味します。 上の写真のものでは6×5個のLEDチップが並んでいました。
上のライトは充電式ですのでとても薄く、顕微鏡光源の位置に簡単に置けます。 一般に、COB LED は発光面が広く広範囲を照らすことができる反面、遠距離への照射には不向きとされていますが、顕微鏡の光源からレンズまでの距離なら問題ありません。 明るさも、もう少し明るい方が良いのですが、40×10でも、どうにか使えます。
上は、いつもと同じように明るさやコントラストなどの補正をしていますが、ハロゲンランプに代えて上記のCOBライトを光源にして撮ったツクシナギゴケモドキ(2025.3.8.採集)の葉とその細胞の写真です。 同じ顕微鏡で撮ったハロゲンランプを使ったこちらの写真と比較しても、見劣りしません。
ただ、330円で理想的な顕微鏡光源が入手できるなら話がうますぎます。 この文は、私のように光源が LEDでない顕微鏡や、反射鏡だけで光源の無い顕微鏡を使っている人の参考になればと思って書いていますが、顕微鏡光源として使うには、いろいろと欠点もあります。 以下、私が感じた欠点を箇条書きにしました。
- 上にも書いたように、私の顕微鏡は LEDが無かった時代の古い顕微鏡ですが、当時の顕微鏡としては高級品で、絞りなどは細かい調整が可能です。 上の写真も対物レンズによって絞りの上下の位置を大きく変えて撮っていますが、この調整が面倒です。 また、絞りの位置を上下に移動できない顕微鏡ではどのように写るのか、分かりません。
- LEDが奥にあるのではなく表面に出ていますから、横から見ても眩しいのが困ります。 製品の注意書きにも「人の目に照らしたり、向けたりしない。人の目に障害を与えるおそれがあります。」と書かれています。
- 顕微鏡を覗いている時は問題ないのですが、カメラで撮ろうとすると、人の目より明暗の変化を敏感にとらえることができるのか、カメラモニター上ではちらつきます。 写真にするとちらつきの縞は写らないと思いますが、これもシャッター速度やカメラの種類によっては違いがあるかもしれません。
- DC5V、0.7A以下で充電する必要があります。 スマホの充電器では電流が強すぎます。 オリンパスのTGシリーズの充電器は使えますが、Type-Cケーブルを準備する必要があります。 これらが無い場合は充電器を別途購入する必要があります。
- 内臓バッテリーは小さく、点灯時間は通常の使用で1時間半です。 ブースター機能が内蔵されていて、さらに強く光らせることもできますが、この場合の点灯時間は1時間です。 点灯しながらの充電はできない仕様のようですので、長時間の顕微鏡観察には数個準備しておく必要があります(といっても、3個購入しても 1,000円未満ですけどね)。
以上、ダイソーで330円で購入できるCOBライトが顕微鏡の光源として使用できるかを検証したレポートでした。 このライトは、裏面に立てるための脚もついていますし、磁石もついていますので、スチール製の何かにくっつけて使うこともできます。 また、三脚用の穴もありますので、ミニ三脚につけて使うこともできますし、カラビナもついています。 工夫次第でいろいろな使い方ができそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿