写真はイボスジネジクチゴケ Barbula horrinervis でしょう。 石灰岩上にありました。石灰岩性の蘚類で、本州と九州に分布する日本固有種です。
左が乾いた状態、右が湿った状態で、撮影の倍率は同じです。 乾燥時には葉は内側に曲がっています。
茎の長さは10~15㎜です(上の写真)。
葉はやや鞘状の倒卵形のの基部から先端に向かって徐々に細くなっています(上の写真)。 葉縁は平坦です。
上は葉先を腹面から撮っています。 葉先は、最初の写真からも分かるように変異があり、鋭頭~鈍頭で、しばしば小突起を伴っています。 中肋は多くの葉で葉先に達しています。
上は葉の中央部の中肋を背面から撮っています。 中肋は太く、背面で目立ち、たくさんのパピラがあります。 和名はイボ(パピラ)のあるスジ(中肋)に由来していると思われます。
上は上部背面の葉身細胞で、各細胞には大きく鈍いパピラが複数あります。
上は中央付近の腹面の葉身細胞で、各細胞のパピラは大きく、数は少なくなっています。
上は葉の中央付近の横断面です。
葉の下部の細胞は長方形で、葉縁に向かうにつれて小さくなっています。 パピラはほとんど見られません。
上は無性芽でしょう。 無性芽は楕円形で長さ0.15~0.25mm、多細胞で、表面は微小な突起に覆われています。
上は無性芽がついていた柄だと思います。
上は受精できなかった造卵器です。
(2025.8.18. 伊吹山)
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