2017-09-17

ヒメウルシゴケを TG-5 で(深度合成など)


 ヒメウルシゴケ Jubula hutchinsiae subsp. japonica の腹面のような複雑さになってくると、深度合成する意義も大きくなってくるのですが、これがなかなか難しい。 前回は水が多くてテカテカ光ってしまいましたが、水分を拭き取ると、どんどん丸く変形してきます。 深度合成は撮影中に被写体が動くとできないので、変形しないように運を天に任せるしかありません。
 今回は前回よりは少しはうまく撮れたかと思ったのですが、ゴミが多すぎました・・・(-_-; とりあえずは、腹葉が1/2まで2裂し側縁に長歯があることが明瞭に写っていることで満足したいと思います。
 ところで、上は TG-5 のフォーカスブラケットモードで撮影したものを CombineZP で深度合成したのですが、私の撮り方では、フォーカスブラケットモードでの撮影では、TG-5 は TG-4 よりも機能的にまずくなっていました。 私は TG-4 を使ってのフォーカスブラケットモードでの撮影では、シャッターを押す時にカメラが動くことを防ぐためにタイマーを使っていました。 ところが TG-5 ではシャッターの切り方が単写/連写/タイマーからの選択になっています。 つまり連写とタイマーは両立せず、フォーカスブラケットモードを選ぶと自動的に連写になり、タイマーを選べなくなります。


 上はヒメウルシゴケの葉身細胞です。 平凡社の図鑑には、油体は楕円体で微粒の集合だが、しばしば眼点がある旨の記載があります。 今回は上の写真のようにたくさんの眼点が見られました。

(2017.9.13. 京都市 西芳寺川)

2017-09-16

クチブトゾウムシの一種




 この仲間もたくさんいて、種の同定には頭部の腹面をきっちり調べる必要がありそうです。

(2017.9.8. 堺自然ふれあいの森)

2017-09-15

ハスモンヨトウ



 幼虫が食葉性の農業害虫として名高いハスモンヨトウ Spodoptera litura です。  名前の「斜紋」は成虫の体の模様からですが、「夜盗」の名前のように、日中土の中に潜んでいた幼虫は、主に夜間に地上に出てきてさまざまな種類の作物に被害を与えます。

(2017.9.5. 堺市南区槇塚台)

2017-09-14

ヒロハスズメノトウガラシ


 写真はヒロハスズメノトウガラシ Lindernia antipoda var. verbenifolia です。 従来スズメノトウガラシとされていたものは、本種とエダウチスズメノトウガラシ L. antipoda var. grandiflora に分けられています。(2種間の違いはこちらに載せています。)


 上の写真のいちばん上は花を横から見ており、中央の垂れているのはツボミ、下の横に伸びているのは未熟な果実です。


 上の写真は花を斜め上から見ています。 花は上下から押し潰したような形をしていて、花冠は2唇形で、下唇は3裂しています。 上唇と下唇の間から2本の黄色いヒゲのようなものが出ていますが、これは・・・


 上唇と下唇の間を裂いてみました(上の写真)。 これらの仲間はオシベが4本のはずですが、花粉を出しているのは上唇にくっついている2本のみのようです。 中央に伸びているのはメシベで、黄色いヒゲのようなものは、位置からしてもオシベなのですが、葯が見当たらず、花粉は出していません。 仮オシベとして虫を誘導する役割になっているようです。

(2017.9.9. 堺自然ふれあいの森)

2017-09-13

ヤマトヒラゴケ


 写真はヤマトヒラゴケ Homalia trichomanoides var. japonica でしょう。




 上の3枚の写真の赤い円で囲んだ所では、枝先が小さい葉を付けて尾状に伸びています。


 上の写真の中央から右上に伸びているのは鞭枝で、下は上の四角で囲った部分(撮った角度が少し異なるので正確ではありません)の拡大です。


 以上のように尾状に伸びた枝先や鞭枝が見られるのはヤマトヒラゴケの特徴の1つです。


 葉は倒卵形で非相称、中肋は葉の中部で終わり、葉先は広く尖っています。

(2017.9.6. 岩湧山)

◎ ヤマトヒラゴケはこちらにも載せています。