2017-01-14

トゲトビムシ科の一種


 上は昨日載せたキャラボクゴケに潜んでいたトゲトビムシ科の一種です。 体表は鱗に覆われています。 鱗の厚さが薄いために上の写真ではほとんどその存在は分かりませんが、光の当たり具合で所々鱗が光を反射しています。


 上は死にかけている個体(元気のいいものではジャンプされてこんな写真は撮れません)を腹面から撮っています。 下にある目盛の最小単位は0.1mmで、体長は2mmほどです。 トゲトビムシ科のトビムシは3~4mmの大型種が多い(こちらには体長6mmのトゲトビムシ科の一種を載せています)ので、トゲトビムシ科としては小型の種です。 また、トゲトビムシ科の触角はトビムシ全体の中では長い方で、体長の半分からそれ以上の長さがありますから、写真のトビムシの触角はトゲトビムシ科の中では短い方になります。


 トビムシも六脚類で、胸部は昆虫と同じように3節からなり、それぞれの節から1対の肢が出ています。 上の写真で肢と胸部の節とを対比して見ていくと、胸部第1節は退化的で細く、首状になっています。 これもトゲトビムシ科の特徴です。 各肢の先端には主爪と副爪の2本の爪が見えます。
 眼にはピントが合っておらず、上の写真からはよく分かりませんが、左右それぞれ6個の小眼からなっています。


 触角は4節に分かれますが、そのうちの第3節と第4節はさらに環状に小分節しています。


 腹面から見ると、6本の肢で抱え込まれるように、体の長さの半分ほどある跳躍器が腹面に見えます。 トビムシはこの跳躍器を地面に叩きつけてジャンプするのですが、トゲトビムシ科の跳躍器は、トビムシ全体の中でも特によく発達しているようです。 トゲトビムシ科の跳躍器には棘が並んでいます(上の写真では毛のようにも見えますが、立派な棘です)。 科の名の由来はこの棘によるようです。

(2017.1.12. 堺市南区 フォレストガーデン)

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