2017-02-01

帽の取れたばかりのヒジキゴケ


 第六十次式年造替を終えたばかりの春日大社、社殿が美しくなった一方で、燈籠のコケは由緒ある歴史を伝えてくれています。


 燈籠には様々なコケが育っていましたが、ヒジキゴケ Hedwigia ciliata もたくさんありました。 上の写真のヒジキゴケ、先端の褐色の部分が気になって、ほんの少しいただいて帰りました。


 拡大してみると、褐色のものはどうやら蒴の帽のようです。 ヒジキゴケの蒴は苞葉の間に沈生し、上の写真では壺は見えませんが、苞葉には毛があり、はずれた帽がその毛に捕らえられているようです。
 2枚目の写真では褐色のものがたくさん見えますから、ちょうどこの時期が帽の取れる時期だったのでしょう。


 上の写真では苞葉の毛に捕らえられた帽が横にずれていて、分かり易くなっています。 苞葉に囲まれた中に黒っぽく写っているのが蒴でしょう。


 蒴の状態を確かめるために、手前の苞葉を取り去り、深度合成してみました(上の写真)。 蒴はまだ緑色をしています。 こんなに早くに帽が取れてしまうんですね。 そして蒴の大きさに比較して帽の径の小さなこと! この大きさではとても蓋全体を覆うことはできません。

(2017.1.15. 奈良市)

◎ 胞子を出す前後のヒジキゴケの蒴の様子や、ヒジキゴケの葉の様子などは、こちらに載せています。

0 件のコメント:

コメントを投稿