写真はオンタケクサリゴケ Cheilolejeunea khasiana です。 10月1日に兵庫県新温泉町の浜坂で採集されたもので、京都府立植物園で実施された「苔 こけ コケ展 2017」の顕微鏡観察ワークショップで使用されたものの残りの一部をいただきました。
上の2枚は腹面から見たところです。 背片は内曲し、長さは茎に隠されている部分も含めて 0.5~0.8mmほどです。 ポケット状の腹片は、背片の一部が茎に隠されているために背片の半分ほどの長さのように錯覚しますが、下の2枚の写真のように背片の1/3~2/5長です。 腹葉はほぼ円形で、2/5ほどが狭く2裂しています。
背片はほぼ卵形で、腹片の先端は切頭です。
上は腹片の先端部です。 歯牙は卵形の1細胞からなりますが、不明瞭で確認できない腹片も多くありました。
上の写真は、立体的な腹片全体の様子を表現するために、9枚の写真を深度合成しています。 しかし深度合成は立体を平面的な写真にしてしまうため、9枚のうちの3枚のみで深度合成し直したのが下の写真です。
上の写真で見ると、歯牙は腹片の奥の部位にあることが分かります。 そのために葉によっては歯牙が手前の細胞に隠され、判別できなくなっていることも多いように思います。
上は腹葉にピントを合わせています。 腹葉の基部から仮根が出ています。
上は葉身細胞です。 油体は大形でブドウ房状です。 平凡社の図鑑では油体は各細胞に3~4個となっていますが、上の写真のようにほとんどの細胞の油体は1個でした。
◎ オンタケクサリゴケはこちらにも載せています。
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