上は鳥海山五合目の岩上にあったコケで、蒴についた水滴に惹かれて撮った写真です(2022.6.1.撮影)。 さてこのコケの名前は、と調べると・・・
植物体は小形で、まだ冬のダメージから回復していないようで、葉は全て昨年のもののようですし、かなり傷んでいます。
葉は披針形で葉先は細長く尖っています。 中肋は1本で葉長の1/2ほどの所で終わっています(上の写真)。
葉身細胞は細長く、長さは約 60μmですが、幅は3~5μmしかありません(上の写真)。
葉の基部では細胞は短く幅広くなっています(上の写真)。
上の2枚はいずれも蒴の内側から撮っています。 蒴歯は2列で、内蒴歯の基底膜は高く、歯突起に孔があり、間毛は3本ほどです。 外蒴歯は上部にパビラがあります。
上は蒴柄で、上部にはパビラがあります。
蒴壁も観察しましたが、気孔をみつけることはできませんでした。
以上が主な観察結果ですが、葉形や中肋の様子、蒴柄のパピラなどから、ハネヒツジゴケ Brachythecium plumosum ではないかと思いました。 しかしそれにししては小形ですし、蒴壁に気孔が見つけられなかったことが気になります。 悩んだ末、SNSに載せたところ、なんらかの原因で小型になった B. plumosum の一型としておくのが無難だと思うとのコメントをいただきました。 平凡社の図鑑の本種の[ノート]にも、「変異が著しく,多くの変異が記載されている。」と書かれています。
◎ 本種についてはこちらにまとめています。
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