上の写真には数種のコケが写っていますが、主に写っているのは、以下の観察結果から、イボカタウロコゴケ Mylia verrucosa だと思います。 これらの仲間は花被が無いと同定が難しく、写真のコケも顕微鏡で確認するまでは(科も異なる)オオホウキゴケかと思っていたのですが、全体のサイズ、油体の数や細胞表面のひび割れ状の模様などのから判断しました。
撮ったのは札幌の手稲山の中腹で、朽木の上で育っていました(上の写真:2022.8.24.撮影)。
上は背面から撮っています。 葉は斜めにつき、広く開出して密に重なっています。 葉の長さは2mmを超えています。
上は腹面から撮っています。 腹面には仮根が密生しています。
葉は長舌形で全縁、背縁が外曲しています(上の写真)。 ちなみに、よく似たカタウロコゴケの背縁は外曲しません。
葉身細胞はトリゴンが大きく、油体は各細胞に 10~20個あり、楕円体で微粒の集合です。
上は細胞の表面にピントを合わせていますので、細胞壁などはぼやけています。 細胞表面にはひび割れ状の模様がたくさん見られます。
上に、当初はオオホウキゴケかと思ったと書きました。 オオホウキゴケには腹葉がありませんが、本種には線形の小さな腹葉があるはずです。 この腹葉をみつけてやろうといろいろ工夫はしたのですが、腹面に密生する仮根に阻まれ、どうしても確認できませんでした。
◎ こちらには特徴的な花被をつけたイボカタウロコゴケを載せています。
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