2022-08-08

ウスバカゲロウ / アリジゴク

 ウスバカゲロウはアミメカゲロウ目(脈翅目)ウスバカゲロウ科に分類されています。 漢字で書くと薄翅蜉蝣であり、薄馬鹿下郎(『どくとるマンボウ昆虫記』)ではありません。

 このウスバカゲロウの幼虫は、アリジゴクとして知られています。 「アリジゴク」の名称は、巣の名称としても、そこに棲む幼虫の名称としても使用されますが、下の写真のようなアリジゴクはウスバカゲロウ科に分類される何種類かが作ります。

 アリジゴクは、雨のかからないサラサラとした砂地に作られます。 堺自然ふれあいの森で撮った上の巣は、土壌条件としては良くないのでしょうが、泉北ニュータウンは粘土質土壌が中心ですので、妥協して作られたものなのでしょう。
 幼虫はこのすり鉢状の巣の底に潜んでいます。 アリなどの小昆虫がこの“すり鉢”に迷い込むと、ウスバカゲロウの幼虫は頭を素早く反らし、頭の上に乗っていた砂を小昆虫にぶつけ、小昆虫が“すり鉢”の底に滑り落ちると、鋭い牙で捕えます。
 草の細い葉などで“すり鉢”の側面にアリが歩くような振動を与えると、元気な幼虫がいる場合は砂をかけてきますので、その巣を壊すと、下のような幼虫が出てきます。


 上の写真は分かりやすいように葉の上に載せて撮っていますが、全く動こうとしません。 ところが腹側からも撮ろうとひっくり返すと、目にも止まらぬ素早さで頭をパンと叩きつけ、写真のような姿勢に戻ります。 何度やっても同じです。 その素早さはコメツキムシの比ではありませんでした。

※ 上の写真の成虫は 2013.7.14.に、幼虫は 2013.7.26.に撮影し、Part1の 2013.7.28.に載せていた引っ越し記事です。

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