上はクラマゴケモドキの時に載せた写真の再掲で、赤い楕円はクラマゴケモドキの雄花序です。
水色の所にあるのが今回のコケで、カミムラヒメクサリゴケ Cololejeunea magnipapillosa だと思います。
TG-6で拡大して撮影しました(上の写真)。 植物体の幅は葉を含めて約1mmです。 以下、クラマゴケモドキからそっと剥がして光学顕微鏡で観察です。
葉身細胞の中央にはパピラがあります。 上の写真では分かりませんが、このパピラは背面に突き出ています。
腹片は背片の1/3~1/2長で、キールの背面はパピラ状です。
上は葉(側葉)を1枚剥がし、背面から背片にピントを合わせて撮っていて、後ろにある腹片がぼんやり見えています。
背片の基部はビッタ(注)状になっています。 また、上の写真は採集からほぼ1カ月経っていますので、はっきりしませんが、眼点細胞が散在しています。
(注) ビッタ(vitta):細長い細胞が続く構造で苔類の葉にみられる。
上は腹面から腹片を深度合成した写真です。 腹片には歯牙が2つあるのですが、どちらを第1とするのかは統一が取れていないようですので、ここでは上の写真に書き込んだ用語を使用します。
第1歯牙は1細胞幅で2細胞長、先端は丸い細胞です。 第2歯牙は1細胞で、尖っています。
本種の第1歯牙の内側の基部には球形の透明細胞があります。 ただし内側ですので、上を覆う細胞に邪魔されて、条件がそろわないと確認することができません。
上は葉身細胞です。 油体は楕円形~円形で、やや大きい微粒の集合です。
(2022.12.6. 大分県 深耶馬渓)
◎ カミムラヒメクサリゴケはこちらにも載せています。
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