2023-08-05

ナミシッポゴケ

 写真はナミシッポゴケ Dicranum polysetum だと思います。 長野県茅野市の標高1100mのカラマツ林の林床にありました。 葉につやがあります。
 日本での分布は中部地方以北と北海道で、世界的には中国、極東ロシア、ヨーロッパ、北アメリカと、北極を取り囲むように寒冷な地域や緯度の高い地域に分布していて、このような分布を示す生物種は周極要素と呼ばれています。


 1枚目の写真のような大きさの群落が近くに数カ所あり、わずかですが蒴をつけているものもありました。 上の2枚の写真は別の群落のものですが、枝分かれの多少は蒴の有無や生育環境のわずかな違いなど、いろいろ考えられます。
 葉は狭披針形で、長さは6~9mmでした。

 茎には白っぽい仮根が密生しています(上の写真)。

 葉には横じわがあります。

 本種は雌雄異株で雄株は小さく,雌株の仮根内に生えるようです。 上の写真中央がその雄株かもしれないと思って撮ったのですが、貧弱な枝なのかもしれません。

 上は葉先を背面から撮っています。 葉縁と中肋に鋭い歯があります。

 上は翼部です。 よく見ると下の層の細胞が透けて見えていますので、翼部は2細胞層以上の厚さがあることがわかります。

 上は葉の中央付近の葉身細胞です。 細胞は細長く、角張らず、厚壁で顕著なくびれがあります。

 蒴歯は1列で16本、中部まで2裂しています(上の写真)。

◎ ナミシッポゴケと思われるコケは、こちらにも載せています。


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