タカユヤスデゴケ Frullania oakesiana が花被をつけていました。 花被について書く前に、本種であることの確認から。
腹片は長さと幅がほぼ同じで、背片の幅の1/2~1/3、口は横に輪切り状で、口部は狭くならず、嘴はありません(上の写真)。
腹葉は倒楔型で、1/3~1/4まで2裂し、裂片の縁の上部に2~3個の鈍歯があるか波状です。
上は葉身細胞です。
さて、花被です。 上の写真には①~⑤の5つの花被が写っていますが、⑤は少し破れているようなので、①~④について書くことにします。
平凡社では本種は検索表にあるだけで、詳しい説明は無く、花被についても書かれていません。 そこで湯澤陽一(2001)の「日本のヤスデゴケ属Ⅱ」(p28)を見ると、花被は西洋梨型、3稜(原文は3褶)、平滑とあります。
上の写真で、稜に1~5の番号をつけたのですが、②と③の花被は3稜に見えますが、①は5稜に見えます。 しかし④を見ると、1と2の間が盛り上がり、その上にもう2つの稜があるように見えます。 ①の花被も、1~3が本来の稜で、4と5は二次的にできた稜ではないでしょうか。
(2023.9.10. 北海道 オンネトー)
◎ 本種はこちらにも載せています。
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