身近な所で普通にあるコケでも、アオギヌゴケ属を筆頭に、ルーペレベルでの同定の難しいコケはいっぱいあります。
エダツヤゴケくらいはルーペで自信を持って同定できるようになりたいのですが、生育環境によっても時期によっても変異が大きく、ツヤゴケ属であることを翼部で確認しようと思ってもルーペでは無理で、なかなか難しいものですね。
エダツヤゴケ Entodon flavescens はこれまで何度も載せていますが、具体例を多く見て脳の抽象化処理に期待するしかないかと思い、また載せます。
上は湿った状態、下は乾いた状態です。 目盛りは1mmです。
エダツヤゴケのルーペレベルでの特徴は、特に湿った状態ではツヤがあること、枝が多く、そこからさらに小枝を出すことが多くあること、その結果として、小さな葉から大きな葉まで、葉の大きさがかなり異なることなどが挙げられます。 しかし、茎から枝の出る角度はさまざまですし、枝の粗密も場所によって異なりますから、見た印象も見る場所によって異なります。
いちおう本種であることの確認のために茎葉を調べましたが、平凡社の記載より小形です(上の写真)。 葉の大きさも生育環境などで変化するようです。
上は翼部です。
葉身細胞は長さ 50-65μm、幅約5μmです(上の写真)。
(2023.10.9. 奈良県 川上村)
◎ こちらやこちらには新しい茎を伸ばし始めた春先の姿を、こちらには細い蒴をつけた9月の様子を、こちらには太くなった蒴をつけた11月の様子を載せています。
0 件のコメント:
コメントを投稿