2023-10-27

サルビア レウカンサ(花粉媒介のしくみと茎のつくり)

 タイトルは学名(Salvia leucantha)をカタカナにしたもの。 アメジストセージなど、いろいろな名前も持っています。 中央アメリカ原産で、大阪付近では屋外で冬越しできます。 秋から晩秋にかけて咲く花は、花穂は長くみごとなのですが・・・

 上の写真は咲いている花の多い所を狙って撮ったのですが、ひとつひとつの花は小さく、目立っている多くの部分は、花冠のなくなったガクや、ガクに覆われたツボミです。 花は短命で左下には枯れかけた花が写っています。 写真の品種は花冠もガクに似た紫ですが、種小名を見ると、野生種の花冠は白色だと思います。
 花冠の先は他のシソ科同様上唇と下唇に分かれていますが、花冠の下(腹側?)が段になっています。 気になったので断面を作ってみたのが下です。

 上の写真の上は花の外観、下が花の断面です。 メシベは1本で柱頭は2裂しています。 オシベは2本あるのですが、手前のオシベは断面作成時に無くなっています。
 オシベは丁字形をしていて、花冠の腹側の段になっている所でくっついています。 このつくりの意味を考えてみました。

 上は分かりやすいようにメシベも取り去り、(片側の)オシベだけにしています。 虫(またはハチドリの長い舌?)が花の奥の蜜を求めて花の中に入ってきます。 それを水色の矢印で表現しました。 花の形から、奥へ進もうとするとオシベのaの所にぶち当たり、aの所を上に持ち上げることになります(黄色の矢印)。 結果として、やじろべえのようなつくりになっているオシベのbの所(葯)を押し下げ、花粉を水色で表した虫の背中またはハチドリの舌にくっつけることになります。

 茎の断面も観察してみました。

 上が茎の断面です。 気泡が抜けるのを待ちきれず撮ったので、グレースケールに変換しました。 茎の中央部が濃くなっていますが、気泡のせいで、実際は薄膜の大きな細胞からなる均一な柔組織です。
 シソ科の茎は断面で四角形のことが多く、それぞれの角にいろいろな組織が集中しています。 下は上の赤い四角で囲った所の拡大です。


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