2019-09-17

チャケビラゴケ



 上はチャケビラゴケ Radula brunnea を腹面から撮った写真です。 葉を含めた茎の幅は2mmほどでした。 葉は背片と腹片からなり、その直下から、小さな葉を3~5対つけた短い枝(尾状枝と呼ばれています)を出しています。 背片は卵形で全縁、腹片は円形で背片の1/2ほどの長さです。 腹葉はありません。
 このコケは、私は見つけられず、M氏が採集されたものを撮らせてもらっただけですので、育っている所の写真も、顕微鏡レベルの写真もありません。

(2019.9.14. 北八ヶ岳)

◎ 花被をつけたチャケビラゴケをこちらやこちらに載せています。


2019-09-12

ニブハタケナガゴケ


 写真はニブハタケナガゴケ Ectropothecium obtusulum のようです。


 上が育っていた場所で、溝の底面の黒っぽく見えているのが本種です。 人家の近くの溝ですが、近くに山があって勾配があり、やや急な流れです。 ちなみに、水近くの緑色をしたものはカマサワゴケでしょう。


 1枚目の写真は葉のある枝を選んで撮ったのですが、実際には葉のある所は少なく、葉の無い黒っぽい茎や枝が多く、2枚目の写真のように、離れて見ると、全体的に黒っぽく見えていました。 本種の生育にとって最適な環境とは言えない場所なのかもしれません。


 平凡社の図鑑では、「翼部には大形で透明な薄壁の細胞が1個ある。」と書かれています。 上の写真の赤い矢印の細胞かもしれませんが、はっきりしません。


 上は葉身細胞です。 平凡社の図鑑では細胞の長さは 80~100μmとなっていますが、上の写真では 30~60μmほどしかありません。 十分伸びることのできない環境なのでしょうか。

(2019.9.11. 兵庫県宝塚市平井)

◎ ニブハタケナガゴケはこちらやこちらにも載せています。


2019-08-27

NHK文化センター神戸教室で1日講座を行います


 「探検!ミクロな生物の世界~そよ風氏の理科の時間~」のタイトルで、NHK文化センター神戸教室で1日講座を行います。
 最近のこのブログはコケが中心になっていますが、数年前は、むしろ小さな昆虫を中心に、写真で紹介してきました。
  これらコケ植物や小さな昆虫などは、すぐ身近にいても小さすぎて気づきにくい存在ですが、よくみればなかなかおもしろい驚きの世界です。 今回はそんな世界を2時間のダイジェストにして紹介するとともに、そんな世界が私たちの日常の生活とも密接につながっていることなどをお話ししようと思っています。 ぜひご参加ください。

 申し込み等詳細はこちらからお願いします。


 

2019-08-26

ホソミズゴケ


 大阪市立自然史博物館の「標本の名前を調べよう」で分けていただいたホソミズゴケ Sphagnum teres です。 水に浸かることの多い場所に育ち、平地から高山帯まで分布しますが、産地は少ないようです。
 枝の付き方はやや疎で、なまえのとおりスリムな印象を受けます。


 ミズゴケの仲間としては中型で、枝葉は長さ1~1.5mmで、先端はやや反り返っています。


 上は開出枝の枝葉で、卵状披針形です。


 上は枝葉背面の中央部です。 写真の右上が葉先方向ですが、透明細胞の先端に大きな孔があり、これが本種の特徴の1つです。


 上は枝葉の中央部を腹面から撮ったものです。


 上は枝葉の横断面です。 葉をまとめて切断したので、上は3枚の葉の断面が写っています。


 上は茎葉ですが、右側の上部が折れ重なってしまいました。 下は別の茎葉の右側上部の拡大です。


 茎葉の先端部は総状に裂けています。 写真の下には舷が見えています。


 上は茎の断面です。 表皮細胞は2(~3)層で、表皮に孔は見られません。

◎ ホソミズゴケはこちらにも載せています。


2019-08-24

蒴をつけたイヌケゴケ


 岩にへばりつくように育っているイヌケゴケ Schwetschkeopsis fabronia が蒴をつけていました(上の写真)。 平凡社の図鑑では、本種の蒴は稀となっています。


 乾いた状態では、葉は枝や茎にピタリとくっついていますが、湿ると上のように開きます。 大きい葉の長さは1mmほどあります。


 葉は卵形~卵状披針形で、やや急に細くなっています(こちら)。 あるような無いような中肋ですが、これについてはこちらを見てください。 翼部の細胞は方形~短い矩形です。


 上は葉の上部の葉縁で、葉身細胞は楕円形~楕円状線形です。 もう少し葉の中央に近い葉縁の細胞では、最も外側の細胞壁は、その内側の細胞壁より薄くなっています(こちら)。

(2019.5.21. 大阪府高槻市 摂津峡)